鬼の子と言われた兄弟は何処へ行く？ (ページ37)

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鬼さん三十五人ページ37

地下都市吉原桃源郷…中央暗部の触手に支えられ、幕府に黙殺される超法規的空間…常世の街。

［マセガキめ、こんな所に俺を連れてきて色仕掛けで俺をたらし込もうたァ気が回るじゃねぇか。］

［そんな訳無いだろ…馬鹿じゃないのか銀時。］

バシッと銀時の頭を叩き…坊主に着いて行く。

［あれくらいのランクを用意してもらわねぇと。］

銀時が目をやったのは花魁最高位に位置する日輪太夫だ。

［アイツは…日輪太夫じゃねぇか。］

［ありゃ駄目だ…兄貴じゃ手が届かねぇ、日輪太夫……この街一番の花魁だ…気に食わなきゃどんなに金積まれようと殿様だろうが相手にしねぇ、高嶺の花だよ。］

［兄貴知ってるみてェだな？］

［あぁ、日輪太夫とは一度だけ面識があるんでね。］

そう俺は日輪太夫と一度面識がある…過去に女を殺す依頼があった…その女が此処吉原桃源郷の遊女だった……その女を殺す時日輪太夫に出くわしていたのだ事情を話せば仕方ないねと見逃してくれたのだ。

”その位の罪はある“と笑っていたが鉄紺が見えていたのははっきりと覚えている。

［それにあの女にはオイラがもう唾付けてんだ。］

そう言って坊主は男に金を渡していた。

［おい、なんだそりゃ？］

［決まってんだろ、女だよ……。］

坊主ははっきりとそう言った…“女”と。

［日輪太夫に会う為にオイラは金が必要なんだ。］

その後万事屋の下のお登勢の姉御の元へ行くと…。

［［あーはっはっはっはっはっはっはっ！！！］］

［こんなちんちくりんが吉原一の女を落とすって！？］

［ガキガハツジョウシテンジャナイヨ！ウチニカエッテカアチャンノチチデモノンデナ！］

［おいおい…お登勢の姉御をキャサちゃんも理由も聞かずにそれは失礼だぞ……。］

［そうですよ笑い事じゃないです。］

［ソレモソウデスネ…スミマセンサカタノダンナ｡］

［あれ、なんで僕には言われないんだろ……。］

新八がへこんでいるのを余所に話は進んで行く。

［細かい事言うなヨ新八…ガキに先越されて焦ってるアル？］

［がっ、あ、焦ってねぇし！！］

神楽の挑発に顔を赤くして否定する新八…。

［焦ってねぇ！って何だヨ完全に焦ってんだろ、噛んでるし。］

［お前らなんの話ししてんだよ…神楽もそんな事言わねぇでやれ…新八が可哀想。］

［それもそうアルナ……ぱっつぁんも触れられたくないことぐらいあるよナ。］

［僕はやらないだけだし！それにね？子供があんな所で入りちゃ……。］