お知り合いsecond【実/況/者】 (ページ4)

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4.最終兵器俺達ページ4

フジside

日曜日午前10：00 フジ宅

「～♪」

ケータイから聞こえてきた着信音で俺は目を覚ました。
布団から手だけを出し、手探りでケータイを取る。
まだ開かない目を無理やり開き、画面を見る。
画面には"こーすけ"の文字
俺はゆっくりと画面をタップし、電話に出た。

フ「はい…？」

自分でも驚くほどに気の抜けた声がでた。
そんな俺と反対にケータイ越しから大きな声が聞こえる。

こ「おいフジ！今何処にいんだよ！」

少しお怒り気味の声
その声でやっと見開かれた俺の目

フ「今何時！？」

こ「10：00だバカ野郎！！」

やってしまった……。

ケータイを耳に当てながら枕に顔を伏せる。

フ「すみません…今から準備して行きます…。」

「待ってるぞ」と言って電話が切られた。

俺は小さくため息を付き出かける支度を始めた。

＊＊＊

午前10：30 電車

電車の入り口近くで俺は立っていた。
タイミングが悪く俺が乗った電車は混んでいた。

何の気なしにぼーっと立っていたら、不意に近くに座っている人のケータイに目が行ってしまった。

わざとでは無い。視界に入ってしまったんだ。
仕方ないだろ？画面に俺が映ってたんだから。

それに懐かしの人狼ゲーム

視聴者さんが俺達を見ていることに喜びを感じ窓の外に視線を移した。

＊

目的の駅に着き、電車を降りた。

すると後ろから肩をトントンと叩かれた。
反射的に振り返るとそこには見覚えのある顔が…

フ「あら！Aちゃん！」

貴「おはよう！フジ！」

そこに居たのはAちゃんだった。

Aちゃんはキヨの紹介でメンバー全員仲良くしてもらってる数少ない女性のお友達。

あれ、そう言えばAちゃんの服装…さっき動画見てた子と同じ…

フ「もしかしてAちゃんさっき俺達の人狼動画見てた？」

貴「え、なんで分かったの！？」

おぉ！ビンゴ！！

フ「いや、偶然ケータイの画面見えちゃって…そしたら俺映ってて」

貴「なるほど！」

満面の笑みでこちらを見るAちゃん
やっぱり彼女の笑顔は眩しい。

二人で会話しているうちに駅の広場まで来ていた。

フ「んじゃ、最俺ハウスに行ってくるからここでお別れだね！」

貴「うん！撮影頑張ってね！」

お互い手を振り、それぞれの目的地へ向かった。

いや～キヨに自慢してやろ！
Aちゃんに会ったって。

俺はニヤケそうな顔をなんとか抑え、最俺ハウスに向かった。