お知り合いsecond【実/況/者】 (ページ11)

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Aside

今日は仕事の先輩と飲みに来ていた。
店員さんを探して周りを見渡していたら、通路を挟んだ隣の席に座る男性と目が合ってしまった。

レトさん…！？

私は急いで視線を反らした。

まさか同じ居酒屋にいたとは…

もう一度レトさんの方へ視線を移すと、レトさんの隣にはキヨがいて、その向かいにはあいちゃんがいた。

するとスーツのポケットに入れていたスマホが震えた。

私はポケットからスマホを取り出した。
画面にはレトさんの名前。
LINEのトークを開くと「こんばんは」という文字。

私は「こんばんは！レトさんも飲みに来てたんだね！」と文字を打ち、メッセージを送信する。

すぐ近くにいるのにLINEで会話するのが可笑しくてつい口角が上がってしまう。

先「Aちゃん何ニヤニヤしてんの？彼氏からLINEでもきた？」

貴「えっ！？あ、いやいや！彼氏からじゃないですよ！それに私彼氏いませんし…！」

先「ほんとに～？」

「本当ですよ～」と言ってまた、スマホに視線を移す。

画面を見るとレトさんからの返信がきていて、そこには「キヨくんにバレずにLINEでしりとりしよ！」と書かれていた。

レトさん、イベントの打ち合わせなのにそんなことして大丈夫なのかな…？

まぁノッてあげてもいいかな…！

私はチラッとレトさんを見てグッと親指を立てた。

そんな私を見てレトさんも親指を立てる。

それからしばらくしりとりをした。

二人しかしらないこのやり取り。

少しだけこの秘密のやり取りが嬉しかった。