伍拾 ページ3
甘露寺side
私は、Aちゃんに幸せになってほしかった。
そして、そう思っているのは他の皆も同じだった。
Aちゃんが柱となった時、Aちゃんに会う前に俺館様から聞いた話に吃驚した。
自分よりも幼い少女が過ごしてきた環境。
家族を無くした人は、鬼殺隊にたくさんいる。でも、ここまで酷い境遇は聞いたことがなかった。
Aちゃんが使う呼吸のこととかも、悲しくなった。
そして、過去のことも。
そして、実際に会ってみて
直感的に、嗚呼この子はいい子だな、と思った。
もしも、この子を取り巻く環境がよかったら。
もしも、もっと前に出会っていたら。
もしも、もしも、もしも。
そう思ったら止まらなくて、でも、わたしには何もできなくて、でも、助けたいって気持ちが止まらなくて、
伊黒さんにも、たくさん迷惑をかけた。
わたしは、Aちゃんのことを救えないのかなって、思っていた時、Aちゃんが首を吊りかけたって話を聞いて、
胸が張り裂けそうだった。
え、どうして、いや、わたしがすくえなかったから、どうしよう、Aちゃん、大丈夫かな、どうしよう、わたしのせいだわ、
任務後すぐに連絡が来て、わたしはずっと、そういう思考が止まらなかった。
わたしのせいで、わたしがもっとちゃんとしていたら、わたしがあのとき、わたしがもしも、わたしが、
でも、そんなとき、
「大丈夫だ。甘露寺。落ち着け。
もしも命に別状があったり、怪我をしたというのなら、あの胡蝶が我々に教えないわけがない。
この後一緒に胡蝶の処に行くぞ。」
「…っっ、うん!!」
伊黒さんが、わたしを落ち着かせてくれた。
ありがとう!伊黒さん!!
そうよ!まだわたしにできることがあるかもしれない!
たまたま合同任務だった伊黒さんと、任務の後そのまましのぶちゃんのところに行った。
そして、水に顔を突っ込んでいたAちゃんを見つけた。
声を荒げて、Aちゃんを怒鳴った後、やっちゃった、と思った。
何も考えずに、怒鳴り散らしてしまった。
また、やっちゃった。
そんな時に、金髪の男の子が来てくれて、、
うふふふ!
だめだわ。ニヤケちゃうっ!
だって、Aちゃんの笑顔はじめてみたんだもの!!
あの後、私はAちゃんを抱きしめた。
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ハルル - とっても面白いですね。続き楽しみにしています! (2021年4月2日 16時) (レス) id: 3ed8831ca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蔚 | 作成日時:2020年1月13日 21時