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陸拾肆 ページ17

次の日、私は死不川さんと戦っていた。




「こ、これはっ、ぜ、絶対派手ですっっ」


「派手じゃねえって!化粧っつうもんはこういうもんなんだよォ!」


「わ、わたしには似合いませんっっ!」


「似合う似合わねぇじゃねェ!俺が決めたんだァ!
だから大人しく紅筆返しやがれ!!」


「い、いやっっ!」


「あんだとテメエェ!あっ!おいそこの隠しのお前お前らっっ!手伝えェ!」


「えっ!?あ!俺等!?
りょ、了解しました!!」


「…えっ、ぁっ、まっ、」


「時間がねェんだよォ。大人しくしてろォ!」









その後、隠しの人に押さえつけられ、呼吸で逃げようとしたところ、不死川さんの睨みに耐えきれずに、
大人しく化粧をしてもらった。


私なんかが化粧したところで醜くなるだけなのに。



「…」


どうしよう…。

着付けと化粧、髪型も全て不死川さんがやってくださった。

着付けは気を使ってくださって、隣の部屋で指示をくださった。




すっごく優しく髪も整えてくださった。

そして、私の緊張を和らげるためか、ずっと色んなお話を聞かせてくださっていた不死川さんが、


無言になってしまっている。
日本語おかしいな。でも、なってしまっているのだ。


わたしが醜くすぎたのかしら。

不死川さんの素晴らしい腕前に傷をつけるような仕上がりだったのかしら。


どうしよう。








なんて言えばいいのか。

何度考えてもわからない。私がやっとで思いついた「ごめんなさい」という言葉を口に出そうとしたその時、





ぽんぽん、と頭を撫でられた。


 
「ぇ、と、不死川さん…?」



「…綺麗になったなァ。」



不死川さんの慈しむような目に、表情に、

私は少し見惚れてしまった。




「あぁ、すまん!
ちょっと、妹を思い出してなァ。

ほらァ、お前はもう行きなァ。」



「っ、は、はい」



「ちゃんと、胸張っていくんだぞォ!」



そういって不死川さんは私を送り出してくださった。









私も、家族の誰かにあんま目を向けられたかったな、なんて、






『Aは本当に可愛いわね』

『ああ、本当に、きっと、元_に、そだっ_____な。』





え??

今の言葉、なんだ??


唐突に頭に浮かんできた。何だったんだろう。



…きっと、この間少し人通りの多い道にいったから、その時聞こえた会話だろう。

私には何の関係もない、ただの会話。









さぁ、もうついた。

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ハルル - とっても面白いですね。続き楽しみにしています! (2021年4月2日 16時) (レス) id: 3ed8831ca6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年1月13日 21時

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