. 07 ページ7
.
《数年前》
「まぁちゃん!」
15歳、中学生のお嬢様と、18歳、高校生の僕。
誰にも言えず、密かにお嬢様に恋していた頃。
吉「どうなされましたか?」
「今日もお花!見に行こう!」
吉「はい、いいですよ」
大きな敷地の一番端にある、花の温室へ向かった。
ここには誰も来なくて、お嬢様のお気に入りの場所。
この頃は、お嬢様に甘くて、もう少し厳しくならないか、と言われたくらい。
「あれ、枯れてる…」
昨日は綺麗に咲いていたのに、と悲しそうに近くのベンチに座った。
「まぁちゃん、ここ座って」
隣をトントン、と叩いた。
吉「失礼します」
隣に座っても、彼女は何も話そうとしない。
吉「お嬢様?どうな…え?」
ふと彼女の方を向いた時、
唇に、柔らかいものが触れた。
吉「お、お嬢様…?」
突然の出来事に、何も言えなくて、頭も回らない。
「好き…まぁちゃんが、好きなのっ」
僕のスーツの裾をキュッと握り、小さくそう呟いた。
嬉しかった。
今までにないくらい。
でも、それ以上に戸惑った。
吉「そんな…許されませんよ」
「知ってるよ…」
今にも泣きそうになりながら俯く彼女。
吉「僕も…お嬢様のこと好きです。でも…」
「本当…?」
笑う彼女の頰に、一筋涙が伝った。
吉「だから、泣かないでください」
どうすればいいのか分からなくて、優しく抱きしめた。
あの方が見ているなんて、知らずに。
.
53人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麗奈(プロフ) - 更新待ってます!!!!! (2017年4月23日 1時) (レス) id: 74c830a39c (このIDを非表示/違反報告)
勇花(プロフ) - めぐちゃむさん» ありがとうございます!嬉しいです(^O^) (2015年10月20日 21時) (レス) id: edc02d9e5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃむ(プロフ) - この話、普段誠は読まない私ですが、すごい好きです! (2015年10月20日 0時) (レス) id: bbec7445d8 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃむ(プロフ) - この話、普段誠は読まない私ですが、すごい好きです! (2015年10月20日 0時) (レス) id: bbec7445d8 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - あの、なんか、話、泣けそうなんですけど・・・笑 (2015年10月12日 19時) (レス) id: ad652427a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:勇花 | 作成日時:2015年10月2日 21時