72話 ページ32
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滝「A」
「･･･」
私は雅兄に呼ばれ弓を引くのを止め雅兄の元へ歩み寄った
遼「A今日は全然的に中ってない」
七「ほんとだ…」
湊「心做しかいつもより矢を放つのが早い気がする」
遼平が持つ記録用紙に書かれている記録には今日Aは的に1つも中っていなかった
海「あいつ･･･何してんだよ」
静「今は滝川さんに任せよう。
僕らも大会が近いから練習しないと」
そう話す一方Aは
「･･･」
滝「A、矢を放つのが早いぞ」
「うん。分かってる」
滝「集中力を切らすなよ」
「うん。」
雅兄は困った様にしているが私には今それに応える余裕がなかった
小さな頃からどれだけ言われていただろうか
玄『弓道をやめろ』
玄『勉強をしろ』
玄『弓道なんて下らない』
玄『もう神社には行くな』
玄『雅貴くんに会うな』
玄『奏美を忘れろ』
そして昨日言われた
玄『お前は私の娘じゃない』
その言葉が頭にこびりついている。
頭にずっと反響している。
今はただ苦しかった。
何かにぶつけたかった。
八つ当たりたかった。
･･････ただ泣きたかった。
的に中らず安土に中る
妹「また外した･･･」
白「今日のAは可笑しいですわ」
花「大丈夫かな･･･」
女子達が心配そうに此方を見ている。
私は気にせずまた弓を引こうとした─
滝「A！！」
「雅兄、？」
大声で雅兄に呼ばれ動きを止め、雅兄の方へ視線を巡らせる
滝「今日はもう帰れ。
今のお前が弓を引いても何も意味がない」
「何で･･･？
お願いだよ、雅兄！そんな事言わないで･･･まだ弓を引かせて、お願いだから･･･、私は大丈夫だから！直ぐに良くなるから･･･！弦音の音を聴かせてよ…」
雅兄の胸倉を掴んで揺さぶった
それでも雅兄は頷いてはくれなかった
滝「少し冷静になれ、な？」
幼子をあやす母親の様に泣きじゃくる子供を窘めるように雅兄は私にそう言った
「･･･分かった。」
弓を戻し最後に触れた
「ごめんね。」
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スイ(プロフ) - 沙絢さん» ありがとうございます！学校の方が始まり更新があまり出来ませんが気長に待って頂けると幸いです！ (2019年1月16日 22時) (
レス) id: ef0564ef41 (このIDを非表示/違反報告)
沙絢 - 凄く面白いです！これからも頑張って下さい！応援してます(^^) (2019年1月16日 17時) (レス) id: 0dd7d43814 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月@スイ | 作者ホームページ：http://weareasas
作成日時：2019年1月7日 16時
