碓氷真澄 ページ46
「よし。じゃ行くぞー」
今日からスタートした朝練を終え、学校から帰った後。
監督さんに頼んで一日だけ真澄の稽古を休ませて貰い、二人で街を歩く。
ちなみにちゃんと夕飯の前には帰るつもりだ。
「アンタ何か企んでるだろ」
「別に?真澄の事もっと知ろうと思ってさ」
真澄の鋭い視線を躱し、陽気に答える俺。
大丈夫だってちゃんとエスコートしてやるから。
「じゃあまず、真澄の好きな物は?」
「監督」
デスよねー聞くまでもない。まぁこれでもし他の事言われてたら今日の計画丸潰れだったけどな。
「真澄もあの寮にいる以上、監督さんとは長い付き合いになるだろ?」
「……まぁ」
「だから今後監督さんと二人で出かけた時用に、今からカレーの店とか色々見つけとくんだよ」
本当は息抜きにでもなればいいんだけど、こいつ監督さんの事になるとほんとポンコツになるからな。
「行く」
ほら即答だよ怖いなサイコストーカー。
「因みにあそこのカレーパンはかなりいける。食べる?」
「当たり前」
監督さんの笑顔を思い浮かべているのか、少しだけ笑う真澄は素の表情に思えた。
そしてカレーパンかなり絶品でした。
それから監督さんの好きそうなスパイスの店だったり女性に人気の店だったりを巡り、未来のデートコース知識を植え付けていく真澄。
途中ヘッドホン見たいって自分の我儘言ってくれたのはかなり嬉しかった。
「っと、そろそろ帰って夕飯作らないとな」
時間が迫ってきた為寮へと帰っていると、隣を歩く真澄に声をかけられる。
「アンタ、芝居経験は?」
「過去にかじった位」
実際はかなりだけど。
「……絶対負けない、監督は渡さない」
「本当に真澄は監督さん大好きだよな」
「世界一好き」
本当にブレないね君は。でもその芯の強さは芝居に絶対生きると思うぞ。
「監督さん、真澄の事ずば抜けて上手いって思ってるよ。だからこそ、一番上手い真澄よりも咲也達に気が行くんだろうな」
「??下手になれってこと?」
いやなんでそうなる。ほんとポンコツだな。
「違う!……安心してくれてんの。真澄なら大丈夫だって、むしろ真澄の上手さに監督さんは助けられてんの。咲也達も頑張ってるからさ、お前は出来る人間としてどんと構えてればいいんだよ」
そしたら監督さん喜ぶぞ?
俺の言葉に、真澄は静かに頷いた。
思わず撫でたらウザいって手を叩かれたけど。解せぬ。
今日の夕飯は真澄の好物である生春巻き。
急いで帰って作るとしますか。
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祐(プロフ) - 時雨さん» お返事が大変遅くなり申し訳ございません。もしよろしければどの話か教えて頂いてもよろしいでしょうか?分かり次第すぐに編集しようと思います┏○ペコ (2018年10月3日 14時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 役不足っていうのは自分には役目が軽過ぎで満足できないなんて言うときに使う言葉ですよ (2018年9月10日 14時) (レス) id: cf954cb7db (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 漣凪さん» ありがとうございます!今は面白いの一言が続ける気力になっております。むしろ妄想して貰えるなんて嬉しさで爆ぜそうです。頑張ります! (2018年3月3日 12時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
漣凪(プロフ) - とても面白かったです!ついつい自身でこの先の展開を妄想してしまいます(←変人)。更新頑張ってください (2018年3月3日 1時) (レス) id: 87e449a00b (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます!文字数制限に毎度ひいひい言っておりますが頑張ります (2018年2月25日 21時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐 | 作成日時:2018年2月23日 1時