ファン第一号 ページ39
現在俺は混乱している。
綴が差し出してきたロミジュリの脚本。
完成したのを早く見て貰いたい気持ちはすごい分かる。俺も舞台開演前はそんな感じだし。
けど、流石に。
(俺がここの誰よりも先に見ていいのかこれ……)
そんな考えばかり生まれる。
正直読みたい。ゲームじゃ脚本の内容は監督さんの一人語りで深くまでは知れなかったし。
全員が｢面白い、早く練習したい｣と思う脚本。演じる側としては読みたくない方がおかしい位だ。
｢……あのな綴。俺に真っ先に持ってきてくれたのは凄い嬉しいし、何なら今すぐにでも読みたい位なんだけど、監督さんでも、ましてや団員でもないのに一番になんて読めない｣
俺はお前らとは違ってあくまで｢家政婦｣だから。こういう時はちゃんと断らないと。
いやそんな悲しそうな顔すんなよ……俺もしんどくなるだろが！
｢俺、Aさんにファン第一号って言って貰えたのめちゃくちゃ嬉しくて、夜食も作って貰う度に頑張ろうって思えました。このロミジュリは俺だけの力じゃ作れなかったと思うんです｣
いや、例え俺の力がなくてもお前は立派な脚本書き上げるんだぞ。せいぜい二日早く仕上げられたって位だ。なんて言えないけど。
｢だから、どうしても一番最初の読者はAさんがいいなって｣
｢う……ほんとにいいの？俺で｣
｢もちろんです｣
どうなっても知らないからな。
脚本を受け取り、パラパラと読み進める。
ロミオとジュリアス。
既に大体の内容は知ってるというのに、興奮のあまり読む手は震えていた。
＊＊＊＊
全てを一通り読み終わり、静かに脚本を閉じる。ずっと集中していたせいで気づかなかったが、綴は俺が読み終わるまでずっと待ってくれていたらしい。
｢ど、どうっすか！？｣
身を乗り出して聞いてくる綴に、俺は頭の中で改めて脚本の内容を思い返す。
｢綴ってさ、まともに書いたのは今回が初めてなんだっけ？｣
｢え？あ、はい。そうっすけど……｣
俺の言葉に自信なさげな反応をする綴。
やっぱり面白くなかったっすか？
そう綴に言われるよりも早く、俺の手は綴の頭に伸びていた。
｢めちゃくちゃ面白いぞこれ！！｣
｢うわっ！｣
頭をがしがしと乱暴に撫で、大人気無く盛大にはしゃぎ始める俺。まさしく語彙力どこいった状態である。
｢やっぱ俺綴の脚本大好きだわ！｣
｢やっぱりってそんな、俺は……｣
｢だって俺ファン第一号だし！！｣
俺はこの時程、咲也達が羨ましいと思った事はなかった。
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祐(プロフ) - 時雨さん» お返事が大変遅くなり申し訳ございません。もしよろしければどの話か教えて頂いてもよろしいでしょうか？分かり次第すぐに編集しようと思います┏○ﾍﾟｺ (2018年10月3日 14時) (
レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 役不足っていうのは自分には役目が軽過ぎで満足できないなんて言うときに使う言葉ですよ (2018年9月10日 14時) (レス) id: cf954cb7db (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 漣凪さん» ありがとうございます！今は面白いの一言が続ける気力になっております。むしろ妄想して貰えるなんて嬉しさで爆ぜそうです。頑張ります！ (2018年3月3日 12時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
漣凪(プロフ) - とても面白かったです！ついつい自身でこの先の展開を妄想してしまいます(←変人)。更新頑張ってください (2018年3月3日 1時) (レス) id: 87e449a00b (このIDを非表示/違反報告)
Syu(プロフ) - 茜さん» ありがとうございます！文字数制限に毎度ひいひい言っておりますが頑張ります (2018年2月25日 21時) (レス) id: 71340f3351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐 | 作成日時：2018年2月23日 1時
