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「昨日も、なったの」
『なんで』
「ずっと、考えてた。
わたしがひとりでいることにどんなメリットがあって、どんなデメリットがあるか」
『それで?』
「結局、わからなくなって、さっきみたいになった」
『…そか』
「わたしね、ひとりにならなきゃいけないの」
『理由は?』
「誰よりも、弱いから。
人って優しいから。わたしみたいな弱い人間も受け止めてくれる人間がいる。」
そう、わたしはずっと
「でも、そんな優しい人間こそ、お腹の中が真っ黒なんだよ」
わたしはずっと
優しさの奥に隠された何かを見たくなかったんだ。
黒い部分に触れるたび
わたしは泣きたくなってしまうから。
『やから、俺と一緒にいることでさえ躊躇ってたんや』
「そう、そのとおり」
『…ほんまさ、驚くくらいに一緒やな』
「え?」
『俺とお前はほんまに同じ種類の人間や。
俺がひとりになろうとしてる理由はお前と一緒や。』
「ほんとに?」
『おん、俺も、人の黒い部分に触れるのが怖かったんや、俺も、弱いから』
「…強そうに見えて、弱いのね」
『ふは、強そうに見えるか?
弱いわ、誰よりも。』
「すばるは、儚いんだね。」
『Aもな、』
「うん、」
『でも、A。』
すばるは、わたしの顔をしっかり見てこう言った。
『俺は絶対にお前を突き放したりはせえへん。俺は、大丈夫や。
俺を信じろ。』
すばるの言葉には重みがあった。
あぁ、きっと弱いけど
強くあろうとしてるから、強く見えるんだ。
わたしは、すばるの言葉を信じられる。
そうおもった。
「わたしも、すばるを突き放さない。
すばるもわたしを信じて。」
『おん』
すばるは、わたしの手を掴んで
『俺らは大丈夫や』
そう言ってくれた。
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作者名:ふぅりん | 作成日時:2018年11月28日 21時