Another story ページ42
すばるの過去。
「ねぇ、そろそろ教えてよ」
『なにを?』
「すばるの抱えてるもの」
『あー、...しりたい?』
「もちろん」
知りたいに決まってるでしょ、
だって、わたしの大切なひとだもの。
わたしの話を優しく聞いてくれたみたいに
わたしだって、あなたの話を聞きたい。
すばるは、すこしだけ、躊躇った後、
静かに口を開いた。
『俺な、もともと家族がおらんやつやねん』
「え、」
『俺は、生まれた瞬間から俺は、捨てられてずっと施設で暮らしてきた。
でも、高校に入って自立してバイトしてなんとかひとりで暮らしとる。
親もいない、親友って呼べるやつもおらん、ずっと孤独やった俺にどうやって人を信じろって言うん?
それに、ひとりなんて慣れとる。
ひとりで居る方が楽やと思っとる。
やから、俺は、ひとりで居る。』
「...すばるも、大変な人生を送ってきたんだね。」
すごく、孤独だったと思う。
わたしなんかよりも孤独だった。
『やから、俺おまえが少しだけ羨ましかってん。今はこの世におらんかもしれへんけど、お前は誰かに愛される幸せを知ってるやろ?俺は、1回もそんな経験をしたことがない。』
「うん、そうだよね。でもすばる、今はわたしがいるよ、ずっとずっとわたしがとなりにいてあげるよ、」
そんな、悲しいこと言わないで
呆れられるほど
嫌がられるほど
わたしはすばるの隣にいるつもりだよ。
『ん、お前にそう言われると、大丈夫な気がする。お前が居てくれればそれで。』
「すばる、話してくれてありがとう。
これからは、お互いの傷をお互いに癒し合っていこう。」
わたし達が抱えてるものは
軽いものじゃない、
どれも重くて暗いものだけど
大丈夫、わたし達なら大丈夫。
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作者名:ふぅりん | 作成日時:2018年11月28日 21時