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何時も何時も彼奴は同じ話を繰り返した。
晴れてる日はブランコへ、雨の日は図書館で。振り回して居るのは相変わらずだが、自分はずっと話を聞いていた。
時々歌ったり、言葉をかえしたり。
明らかと言って良い程暗い話を俺にしてきた。それが今となっては思い出せもしない。思い出したくない。
ずっと泣いていたり、笑っていたり。
その状態が半年続いた。
すると、笑顔は戻ってきたものの、無理に俺に笑顔を向ける様になった。
自分の知らない間に彼奴は手首を切っていた。
切った初日(気付いたのがその日だった為、初日かは不明)彼奴が初めて私に対して言った言葉。
「ねぇ、気が付いたらたちばさみで切ってた。」
勿論。恐ろしい程良い笑顔で。
俺もその時から話の聞きすぎで壊れ掛けてたんだろう。
此方も笑顔で
「マジかよ」
そう返した。
狂った二人の言動は周りを不安にさせた。
ある一人なんかは
「彼奴があの子をたぶらかしたんだ」
「彼奴さえ何もしなかったら」
「悪いのは彼奴。」
なんて言葉が飛び交った。
本当なら、此処で何かに気付くべきだったのだろう。
僕は笑っていた。
気にせず笑ってた。兎に角楽しかったんだ。
僕は彼奴といろんな会話をした。
「僕が死んだら如何する?」
「後追って死ぬ」
「あーあ、そりゃ気軽に死ねたもんじゃねぇな」
物騒な話を良くするようになった。
僕に関してはクトゥルフなんて物にも手を伸ばした。
確実に狂っていったのは僕達だった。
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作者名:海が見たい | 作成日時:2017年5月7日 21時