イレギュラー (ページ7)

今日:4 hit、昨日:34 hit、合計:15,891 hit

一章転校生④ ページ7

あの後僕は那珂川くんとは関わらないようにした。でも僕はあの時のことを忘れられなかった。女性を連れ去ろうとした化け物のこと。女性を助けようとしたけど、何もできなかったことが頭から離れなかった。

ーそれから数日後
「A～また明日な～」

「うん。また明日」

僕は仲良くなった友達と別れ、家の帰路へ辿った。

(あ、この道あの時と同じ道だ……最近は友達と一緒に帰る為に別の道で帰ってたけど……早く家に帰ろ……)

僕は早足で家に帰ろうとして、足を踏みだしたその時。後ろからぽんぽんと肩を叩かれた。僕はびっくりして、後ろを振り向くとオレンジ色の髪で僕と同じ高校の制服を着ている男の人がいた。

「あ、あの……なんでしょうか？」

「…………」

「え、えっと……」

「今君のお友達が危ないで？早う助けてあげたら？」

「ど、どういうことですか？」

僕がそう問いかけると同時に近くで爆発音が聞こえた。爆発音がした方を見るとそこには約2mを超える巨大な化け物がいた。

「な、なんだあれは!!?」

「君のお友達那珂川怜樹くんが今一人で戦ってるんや。あの大型のまがれと」

「え!?」

この人あの化け物のことを知ってるのか……?!

「助けに行かんでええの？那珂川くんは君の友達やろ？」

「僕は……あの人とは友達ではないです……」

「仮に友達じゃなくても君らはクラスメイトなんやろ？クラスメイトが今危ないのに君はそれを見ないことにするんか？」

「っ!? そ、それは……」

この人どこまで僕のことを……?!那珂川くんと同じクラスだってことも……!!

「で、どうするん？助けに行くか、このまま見ないふりをして逃げるか。選びな？決めるのは君や」

「ぼ、僕は……」

一方その頃……
「くそ……何回も撃ってるのに当たらない……どうなってるんだよ……」

怜樹は今巨大なまがれと苦戦していた。まがれの弱点である脳天を撃っても、なかなか当たらなかった。

(やっぱりハンドガンだけじゃ射程距離が短すぎるか……仕方ない。ここは射程距離が長いスナイパーを創るしか……)

怜樹は触れたものを別のものに変える能力を持っている。使っていたハンドガンをスナイパーに変えようとしたが、まがれの攻撃によって防がれてしまった。

(くそ……!!このままじゃ銃を創る前にやられる……!!一体どうすれば……)

「お、おい!!そこのでかい化け物!!!」

(……は？)

怜樹は大声のした方を向くと、そこにはここに居ないはずのAの姿があった。

次回に続く