イレギュラー (ページ46)

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七章紅蓮と冷血⑥ ページ46

メアリーがそう言うともみじの心臓に向けて、銃を発砲した。メアリーが撃った弾丸は見事もみじの心臓に命中した。もみじの胸からは大量の血が吹き出し、その場から倒れてしまった。

「あ、あはは……!!殺った……やっと殺れた……!!あたしの能力で生き延びられたやつはいない……!!やっと殺せた……!!さて……あいつの援護でもしてやるかね……」

メアリーがこの場から立ち去ろうとしたその瞬間。

「いや～危なかったぁ～今のは本当に死んだかと思った～」

聞き覚えのある声が聞こえ、後ろを振り返るとそこには先程心臓を撃たれて死んでしまったはずのもみじが立っていた。

「なっ?!お前……!!さっき死んだはず……!!」

「そう思ったやろ～？せやけど残念やったな～さっきのは僕の能力で作ったニセモノだったんだ～」

「なにっ!?」

メアリーは先程の死体があるかどうか確かめたが、その場にはもう死体はなかった。

「まさかこんなところで能力が役に立つなんてな～これも能力の応用って訳だね」

「ふ、ふざけるな……!!今のは反則だろ?!」

「反則？いつも汚い手で多くの命を殺める君たちに言われたくないな～戦いには正々堂々なんて言葉なんてないんやで？そう教えられなかったん？」

「っ!!」

「図星のようやね。それじゃ続きする？それとも降参する？」

「……」

(今すぐこいつを殺したいところだけど、今の状態だと完全にこっちが不利だ……)

「仕方ない。今回はお前の勝ちにしてやるよ。だけど今度会った時は絶対ぶっ殺してやる……!!」

メアリーはそう言うとどこかに姿を消してしまった。

「……ふぅ。なんとか退けたな～さて……A君たち大丈夫かな……様子を見に行くか」

ー住宅街
その頃僕たちはメアリーが呼び出したまがれを倒していた。

「これで……終わり!!」

紫音先輩が最後の一体を倒すと、僕らは安心して一息つく。

「なんとか……片付きましたね……」

「そうだね……もう出てこないといいけど……」

「二人とも怪我してない？」

遠距離で援護していたあねちゃんが心配そうに声をかけてきた。

「うん……大丈夫。ありがとう」

「もみじさん……あれからどうなったのかな？」

「そうだね……ちょっと様子を見てこようか？」

「二人とも心配する気持ちはわかるけど、今はむやみに動くと危険だからとりあえず安全を確認しよう」

「わ、わかりました……」

(みんな……無事だといいけど……)

次回に続く