イレギュラー (ページ41)

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七章紅蓮と冷血① ページ41

一方怜樹たちは旅館周辺にいた一般人を避難所へ誘導していた。神祇に所属している異能力者しかまがれの存在を知っていないので、この事実を知らない一般人は不安と困惑を隠しきれないでいた。

ー避難所
「なんとか治まってくれましたね……」

「そうだな。まったく面倒かけさせやがって……でも泰斗のおかげでなんとかなったよ」

「どういたしまして～まさか俺の話術がこんなところに役に立つなんてね～」

「さすが泰斗先輩です！」

「浮かれている場合ではないですよ？とりあえず中と外の見張りをつけましょう。配置は俺と羽音さんが外、泰斗先輩と佐々木は中の見張りをお願いしたいです。異議はありますか？」

「大丈夫だ。メガネ。うちに外の見張りをつけるなんてなかなかいい判断じゃん」

「俺も問題ないよ～」

「私も異議なしです！」

「ではその通りに行きましょう。まがれは俺らに任せてください。羽音さん行きましょう」

「おうよ！派手に暴れてやるよ！」

「お二人共!!お気をつけて！」

ー避難所外
「一旦外に出たもののまがれが一匹もいないなんて……」

「くそ！最近指導ばっかやってたから、久々に戦えると思ったのにな～!!」

「でも油断は禁物です。いつ敵が現れてもおかしくないので」

「そうだぞ少年。なかなかいい考えをしているじゃないか」

突然聞き覚えのない声がし、怜樹は後ろを振り向くとそこには青髪の青年が立っていた。

「い、いつの間に……!?」

「まあそう焦るなって。俺はお前らと話がしたいんだ。でもそうもいかないよな。だって俺はヒガンのメンバーだからな。つまりお前らの敵だ」

「なっ?!ヒガンだと……!?」

「申し遅れた。俺の名は冷血のイルだ。気軽にイルと呼ぶがいい。さっき言った通り俺はヒガンのメンバーであり、この騒動の黒幕だ。よろしくな」

イルが自己紹介を終えると同時に二人はそれぞれの武器を構えていた。

「……お前らは警戒心が強いんだな。さすがだな。でも俺はお前らと戦うつもりはないぞ？」

「なにふざけたことを……!!」

「本当だ。俺は嘘をつかない。ああでも時と場合によるけどな」

「……お前らヒガンの目的はなんだ？」

「そうだな。特別に教えてやろう。この世界をリセットすることだ｣

次回に続く