イレギュラー (ページ37)

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六章合宿④ ページ37

突然声がした方を見ると、オレンジ髪の男の人が立っていた。しかもこの人には見覚えがあった。

「あ、あなたはあの時の!!」

「あ僕のこと覚えてくれたんやな～嬉しいわ～」

「月詠。こいつのこと知ってるのか？」

「うん……随分前に会ったんだ」

「それじゃあ自己紹介するで～僕の名前はもみじ。神祇に所属している異能力者やで～気軽にもみじって呼んでや～今回は君たちのコーチとして来たからよろしくな～あとみんなのことは把握済みやから、自己紹介しなくても大丈夫やよ」

「やっぱりあなた異能力者だったんですね……」

「まあね～あの時は言えなくてね～まぁこれからよろしくね～じゃあそろそろ訓練所向かおうか～｣

ー同時刻桜の間
「こ、今回の強化合宿のコーチになった霜月羽音だ……よ、よろしくな」

一方紫音たちがいる部屋には、少し照れ気味で羽音が自己紹介をしていた。突然の登場で一同は呆然としていた。

「な、なんだよ！お前ら!!なんか文句あるのか?!」

「い、いや……ありませんけど……」

「ないならなんか言えよ！狐面！」

「狐面じゃないです。私は蒼鳥紫音です」

「あーそういえばお前どこかで見たことがあると思えば、あの時の神社にいたやつか！あとの二人は知らないけど」

「……紫月あねです」

「私は佐々木未果です！よろしくお願いします！羽音さんっていくつなんですか？」

「なっ?!お前急に失礼なこと聞くな……25だよ」

「えっ!!?25歳なんですか!?全然25歳には見えませんよ!?」

「う、うるさいなぁ!!お前!!」

「未果ちゃんそろそろ時間だから行こう。あと羽音さんに失礼だよ？」

「あ!!そうだった……羽音さんすみません……!!紫音先輩お先に失礼します!!」

未果はそう言うとあねと共に部屋から出ていった。

「……まだあの時のこと忘れてないですからね」

紫音はそう言うと部屋から出ていった。

「……チッ。めんどくさ……」

僕らが訓練所に集合した後、コーチであるもみじと羽音さんの紹介を終え、いよいよ特訓が開始した。まずは軽い筋トレをした後僕と那珂川くんは銃の特訓で弥生さんが、泰斗先輩と未果ちゃんはそれぞれの武器の特訓で羽音さんが、紫音先輩とあねちゃんには能力の特訓でもみじ先輩が指導していた。みんな汗をかきながら、必死に特訓に取り組んでいた。そしてあっという間に夕方になっていた。

次回に続く