イレギュラー (ページ35)

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六章合宿② ページ35

ー数週間後神祇本部指揮官室
「……はぁ。また呼び出されたよ……今度はなんだ？また怒られるのか？」

「……」

「あとお前は誰なんだよ!?」

羽音の隣には制服を着たオレンジ髪の少年がいた。

「誰やと言われて自己紹介もされていない人に自分のことを言う権利なんてありませんよ～」

(な、なんだ……!?こいつ!!私より絶対に年下のくせに生意気な!!)

羽音がそう思うと、指揮官室のドアが開き弥生が入ってきた。

「やあやあ！遅くなってしまって申し訳ない！」

「……弥生さん。今度はなんの用ですか？」

「まあまあ！そう急かないでおくれよ～今から説明するからさ！話の前にその子についての話をしないとね。彼は神祇本部に所属している異能力者もみじ君だ」

「よろしくお願いします」

「もみじ？お前苗字はないのか？」

「細かいことは気にしんといてください。僕にも事情というものがあるので」

「……あぁそうかよ」

「もみじ君。その人は霜月羽音ちゃん。遠くの町から来たベテランの異能力者だよ！」

「そうですか。それは失礼しました」

「別にいいよ。それで弥生さん。話というのは？」

「おーそうだった。忘れてた。二人はこの間本部が襲撃されたのは知ってるかな？」

「たしかそんな話聞いたな」

「僕も聞いています」

「その後本部でこれからの対策についての会議を行って、異能力者の実力アップのために強化合宿を行うことにしたんだ!!強化合宿を行えば、異能力者たちの力もアップするし、それにコミュニケーションも取れる!!」

「へぇ～面白そうですね」

「そこでだ！君たちには強化合宿で異能力者たちのコーチをしてもらいたいんだ！」

「は、はぁぁぁ!!?なんでですか?!」

「君たちは神祇本部の中でもかなりの実力者だ。君たちが指導すれば、きっと彼らの実力も上がると思うんだ!!」

「なるほど……たしかに一理ありますね」

「なんでうちがそんな面倒なことをしなきゃなんないんだよ!!うちは絶対嫌だね！餓鬼どものお世話なんて!!」

「羽音ちゃん。これは命令だ。君がなんと言おうと絶対にコーチになってもらう。それにこの間の件覚えているかい？君には大きな処罰を下すって」

「あ～もう!!わかったよ!!やるよ！コーチ!!」

「ありがとうね～それでもみじ君もやってくれるかな？」

「是非やりたいです。僕も同い年の異能力者たちと仲良くなりたいと思っていたので」

「それはよかった!!それで強化合宿についての件なんだけど……」

次回に続く