イレギュラー (ページ33)

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五章憧れの刃⑦ ページ33

レイジは素早い剣さばきで泰斗に攻撃を仕掛ける。
泰斗はレイジの剣撃を槍で受け止めるが、槍がレイジの剣撃に耐えきれず真っ二つに折れた。

(まずい……!!)

泰斗はギリギリでレイジの剣撃を避けた。

「あ、槍が折れちまったか。もっと楽しめると思ったのに残念だな。とっても楽しかったぜお前とやれて。……じゃあな」

レイジが泰斗にトドメをさそうとしたその時。レイジの目の前に短剣が通った。

「なに?!」

レイジが短剣が来た方向を見ると、そこには未果の姿があった。

「……お前だな！こいつを投げたのは！」

「こ、今度は私が相手になるよ！ほらかかってきなさい!!」

「……悪いが、お前の相手をするのはこいつを倒してからだ。ちょっと待っててくれ」

「そんなことさせない!!」

「人聞きが悪いなぁ……話聞いてなかったのか？」

レイジは冷徹な目で未果を見ながら、そう言った。
未果はレイジに見られた瞬間、今までに感じたことがない殺気を感じ、尻もちをついてしまった。

「ひっ……!?」

「……そこで待ってろ。お前もすぐに殺してやっから」

「や……やめて……!!」

未果はなんとか立とうとするが、足がすくんで立てなかった。レイジは今度こそ泰斗にトドメをさそうとした瞬間。

「斬り捨て……御免!!」

「あっぶねぇ!!」

金属音がぶつかり合う音がした。レイジに攻撃をしたのは……

「紫音……ちゃん？」

「まったく……弥生さんから連絡があって急いで来てみればこんな状況に!!先輩は無茶しすぎなんですよ!!」

「どいつもこいつも俺の邪魔をしやがって……!!」

「とことん邪魔するからね！私たち異能力者は!!」

「くそがぁ……!!」

レイジは紫音を弾き飛ばし攻撃を仕掛けようとしたが、銃撃によって腕を貫かれてしまった。

「!?」

銃を撃ったのはAと玲樹だった。二人も弥生の連絡により、ここに来たのだ。

「絶対に誰も死なさせない!!」

「お前こんなことをして生きて帰れると思うなよ？」

「チッ。こんなんじゃ分が悪い。ひとまず退散するか……」

レイジはそう言うと、どこかへ飛んでいってしまった。

「くそ……逃げられたか」

「泰斗先輩とそこの君大丈夫!?」

「わ、私は大丈夫です……」

「そっか。よかった……」

「よかったなんて言ってる場合じゃないぞ？月詠。紫音先輩。俺らは周辺にまがれがいないか見てきます」

「わかった。気をつけてね。……先輩無茶しすぎですよ」

「えへへ……少し調子乗りすぎちゃった……」

次回に続く