イレギュラー (ページ32)

今日:23 hit、昨日:16 hit、合計:15,876 hit

五章憧れの刃⑥ ページ32

ー神祇本部指揮官室
「……先輩大丈夫でしょうか」

「大丈夫だ。泰斗君はあれでも実力のある戦士だ。心配することはないよ」

弥生がそう言うと同時に、未果の能力が無意識に発動した。未果は能力の発動に一瞬動揺したが、千里眼を使って本部の外を見た。未果の目には、異能力者とまがれがすべて倒されており、レイジと重症を負っている泰斗の姿が映っていた。

「これは……!!」

「未果ちゃんどうしたんだ？」

「……先輩が……危ない……!!助けないと……!!」

未果は泰斗を助けに行こうと指揮官室から出て行こうとするが、弥生に止められてしまう。

「つ、九十九さん!!離してください!!」

「ちょ、ちょっと!!未果ちゃん!!急にどうしたんだ!?」

「早く先輩を助けないと!!先輩が死んじゃう……!!」

(まさか……千里眼で外の様子を見たのか？……少し危険だが試してみるか)

弥生は未果の手を離した。

「……未果ちゃん。泰斗君を助けたいか？」

「も、もちろんですよ!!」

「ならこれを使ってくれ」

弥生が机から取り出したのは、短剣と戦闘着だった。

「これは……？」

「これは神祇が開発した特性の短剣と戦闘着だ。剣が当たれば、奴らにちゃんとダメージを受けるようになっている。ただの武器じゃ、奴らは倒せないからね。あとこの服は普通の攻撃には耐えられるようになっている。これは戦闘する前に絶対に着替えてね。未果ちゃん……本当に気をつけてね」

「わかりました!!ありがとうございます！」

未果は弥生から短剣と戦闘着を受け取ると、指揮官室から出ていった。

(異能力者の力の覚醒には一つの条件がある……これは最近になってわかったことだけど。それは……誰にも覆すことのない強い意思だ)

ー神祇本部周辺
一方レイジと泰斗の戦いは続いていた。レイジは宙に浮き、上空からマシンガンを連射しそれを泰斗は交わしていく。

「さっきから交わしてばっかじゃねぇか!!全然面白くねぇぞ!?」

「なら降りてきたらどう!?空からじゃ面白くないでしょ?!」

「あ、よくよく考えてみればそうだな。俺としたことがうっかりしてたな」

レイジはそう言うと上空から降りてき、マシンガンを捨てどこにしまっていたのかわからないが長剣を取り出した。

「これで正々堂々とお前と勝負ができるな!!さあここからが本番だ!!」

次回に続く