イレギュラー (ページ4)

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一章転校生① ページ4

ー9月1日僕は両親の都合でこの神羅町へ引っ越してきた。その時の僕はごく普通の高校生活を送れるかと思っていた。あの日までは……

ー神羅高等学校一年A組
「えー皆さん。転校生の紹介します。月詠Aくんです。月詠くん、自己紹介を」

「あ、はい……えっと……月詠Aです。親の都合で引っ越してきました……これからよろしくお願いします……」

僕は自己紹介を言い終わると、ぺこりとお辞儀をした。クラスメイトからパチパチと拍手が送られた。

「えーじゃあ。月詠くんの席は……那珂川くんの隣の席だね」

「え、はい……」

僕は先生が指を指した方に空いている席があることを確認し、席に着いた。隣の席には、眼鏡をかけた男の子が座っていた。

(まずは近くの席の子から、仲良くなるのが基本だよね……後で話しかけてみよう……)

ー1時間目終了後
(よし……授業が終わった……たしか……那珂川くんだったけ……？話しかけてみよう……)

「あ、あの……」

僕は緊張しながら、隣の席の子に話しかけたが無視された。

(え……？今無視された……？もう一回話しかけてみよう)

「あ、あの!!」

「……うるさいな。静かにしてくれないか？」

「……へ？」

「うるさいと言っているんだ。そんなことも分からないのか？俺はお前のような普通な人間には興味ないんだよ」

那珂川くんはそう言うと教室から出て行ってしまった。

(……いくらなんでもそこまで言うことないだろ……!!)

僕は机に突っ伏した。こんなに緊張していたのにあんな冷たい言い方をされて、少しがっかりした。僕の学校生活はどうなるんだろう……？

一方その頃……
「……申し訳ありません。連絡が遅くなってしまって。ご用件はなんですか？……はい。……わかりました。今日から念入りに捜索します。必ずこの那珂川怜樹が悪しきまがれを討伐してみせます」

次回に続く