イレギュラー (ページ28)

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五章憧れの刃② ページ28

ー神羅高等学校屋上
暗殺集団ヒガンのメンバーシンとの戦いから3日が過ぎた。紫音は暇つぶしで一人で屋上に来ていた。

「まさかあねちゃんが異能力者に覚醒するなんてね……思いもよらなかったけど……それにヒガンがまがれに手を出すなんてね……これから大変になりそうだな～」

紫音がそう独り言を言っていると、屋上のドアが開く音が聞こえた。後ろを振り返ると、そこにはAの姿がいた。

「紫音先輩こんなところにいたんですね」

「A君……どうしたの？」

「実は……僕紫音先輩とお話がしたくて……」

「……え？」

「いや……！下心がある訳じゃないですよ……!!」

「なんでそうなるの……別にそう思ってないから、気にしないで。ただ珍しいなって思っただけ」

「なんでですか？」

「A君全然人に話しかけるようなタイプに見えないだもん～」

「え?!僕をそんな風に思ってたんですか!?」

「あはは!!……そういえばさ、A君の能力って、能力を模倣するだっけ？」

「はい。そうですけど」

「なら、私の能力について教えておかないとね。もしかしたら、私の能力を模倣して使う時がくるかもしれないし」

「だいたいのことは泰斗先輩に聞いています。たしか……使いすぎると体に激痛がくるでしたっけ？」

「なぁんだ。先輩から聞いたんだ。先輩って結構口軽いんだよな～うん、そうだよ。これを能力の代償って言うんだっけ。あれはね、能力の強さで決められているんだ」

「能力の強さ？」

「その名の通りのことだよ。能力が強力やチート系のものが能力の代償を払うんだ。私の能力はなんでも燃やすことができるからかなり強力なんだよね」

「なるほど……」

「代償は人それぞれなんだよね。私は何度も代償を払ったからね。慣れないものだよ」

「やっぱり……大変なんですね」

「まあ時期に慣れるよ。10年後ぐらいにはね」

「ちょっとそれは遅すぎませんか……？」

｢冗談だよ。早く慣れないとね。足手まといにはなりたくないもん」

「僕ももっと強くならないとですね……」

「君は十分強いと思うんだけどな～」

「それ本当ですか？」

「ほんとだよ。だって、初陣で冷静な判断ででかい敵に立ち向かったんだもん。なかなか新人にはできないよ？」

「……そう言って貰えて嬉しいです。でも僕にとってはまだまだですから」

「そっか。お互い頑張ろうね。じゃ私そろそろ教室に戻るよ。君と話せてよかったよ！またね！」

「はい。また！」

次回に続く