イレギュラー (ページ27)

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五章憧れの刃① ページ27

ー神羅町住宅街
あねの攻撃によって、凍らされてしまったシンは打開策を考えていた。

｢くそ……まさか僕があんな奴らに負けるとは……とりあえずこの氷を溶かさないと」

「あれ～??シンくん～こんなところで何してるの～？」

シンの目の前に現れたのは、カラフルな髪色でロングヘアーの少女だった。

「お前……アルムか？」

「そうだよ～!!アルムだよ～!!それよりシンくん。あなたはなんで凍らされてるの～？」

「……異能力者にやられたんだ」

「えぇっ～!?あんな奴らに負けたの?!シンくんが!!?ありえないよ!!」

「これは事実なんだ。僕も油断してたよ。まさか異能力者にあれほどの力があるなんてな」

「これはちょっとみんなに知らせた方がいいね～」

「そうだな。アルムこの氷を溶かしてくれないか？」

「OK～!!私に任せて!!」

アルムは氷に触れると、たちまち氷は溶けていった。

「アルムありがとうな」

「どういたしまして～!!えへへ！これで私に借りができちゃったね！シンくんに何してもらおうかな～??」

「お前なぁ……そういうところが腹黒いんだよ……」

「私は全然腹黒くなんかないよ!!とぉっても純粋な女の子だよ！」

「自分で純粋だって言うのもどうかと思うんだけど……」

「もうっ!!別にいいじゃん!!私怒ったよ！プンプン!!」

「はぁ……そろそろ戻ろうか」

「うん！そうだね！私お腹減っちゃった！」

「お前なぁ……」

ー翌日神祇本部指揮官室
「なんすか？九十九さん呼び出しなんかして」

羽音は欠伸を噛み殺しながら、腕を組んでいる弥生にそう問いかけた。

「羽音ちゃん。私は君になんて依頼をしたか、覚えているかい？」

「えっと……ここのまがれ退治を手伝ってほしいでしたっけ？」

「そうだね。じゃあなんで君は昨日A君たちの手伝いをしなかったの？」

「……なんでそんなことを」

「私は指揮官だ。隊員全員の行動ぐらい見ているからね」

「……へぇ」

「君はA君たちを見殺しにしようとしてたでしょ!?」

「見殺しなんて、そんな物騒な」

「身勝手な行動はやめるんだ！昨日の白川山のまがれ退治はC班とE班に依頼したんだ！君がやってしまっては彼らの意味がないんだぞ?!」

「あ、そうだったんですか。それについてはすみませんでした。ちょっと腕試しをしたくて」

「……これからは気をつけるんだぞ？これ以上身勝手な行動を取れば、君には厳しい処罰を受けてもらうからね」

「わかりました。肝に銘じておきます」

次回に続く