イレギュラー (ページ26)

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四章こんな私でも⑥ ページ26

「なんだ？もう終わりか？つまらんな。大人しく死にな」

シンはうつ伏せになっている紫音にとどめをさそうとしたその時。

「ちょ、ちょっと!!あなた何してるの!?」

後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。紫音は後ろを振り返ると、そこには私服姿のあねがいた。

(嘘……?!なんであねちゃんがここに……)

「なんだお前。僕の邪魔をしないでほしいんだけど」

「わ、私は……!!その子の友達だよ！」

「……へぇそうなんだ」

「あねちゃん……!!早く……逃げて……!!」

「嫌だよ!!紫音ちゃんを置いて逃げるなんてできないよ!!」

「うるさいなぁ……!!まず長髪のお前からぶっ殺す!!」

シンはあねのほうに攻撃を仕掛けに行った。

(駄目!!あねちゃんを見殺しにする訳には……!!動いてよ……!!早く動いてよ!!)

紫音がどんなに体を動かそとしても激痛で動かすことができなかった。あねは風のような速さで近づいてくるシンを見て、死を覚悟したその時。
ブォン!!っと地面から火が吹き出てきた。

「っ!?なんだ!?」

シンは火柱が出る直前に回避した。

「あれは……私の能力じゃない……ってことは」

「ひょっとして私……？」

「まさかこんなところで覚醒するなんてな……!!まあさっさと殺せばいい話だ!!」

シンはまたあねにむけて攻撃を仕掛けるが、今度は空から雷が降ってきてシンに直撃した。

「ぐぅ……!!なんだ……この力……!!」

「すごい……」

「……こ、凍っちゃえ!!」

あねがそう言うと、シンは凍りつかれてしまった。

「た、倒しちゃったの……？嘘……私が……？」

「あんな力見たことがない……」

紫音がそう言うと、あねは紫音のそばに走って来た。

「紫音ちゃん!!大丈夫!?怪我はない!?」

「え、あ、ちょっと体が痛いだけど。あねちゃんは？」

「私は大丈夫だよ！体が痛いの？ちょっと待っててね」

あねはそう言うと、紫音の体に手を置いた。すると、紫音の体は緑色の光に包まれ、次第に傷が消えていった。

「これでどうかな？」

「すごい。もうどこも痛くない……」

「なら立てるね！ほら、手をとって！」

「う、うん……」

紫音はあねの手を借りて、立ち上がった。

「あねちゃん……その……助けてくれてありがとう……」

「どういたしまして!!」

「とりあえず早く逃げよう!!ここは危ないから！」

「う、うん!!」

その後紫音はAたちと合流することができた。そしてこれが激しい戦いの幕開けになるとはAたちは思いもよらなかった。

次回に続く