イレギュラー (ページ11)

今日:18 hit、昨日:16 hit、合計:15,871 hit

二章試験③ ページ11

「試験って……」

「別に強制じゃないよ？入りたくないなら、入らなくてもいい。でも入るからには、相応の覚悟が必要だけど」

「……」

「急に言われても困るよね……じゃあ来週まで待ってあげるから、気が向いたら2年B組に来てね。それじゃあね」

紫音先輩はそう言うと空き教室から出ていった。

「……僕は」

ー放課後帰り道
「なるほどな。そのように紫音先輩から言われたんだな」

学校が終わったあと僕は那珂川くんと一緒に下校していた。そして、昼休みに紫音先輩から言われたことを話した。

「うん……僕どうしたらいいのか……」

「……まあ、お前の好きにすればいいんじゃないか？するもしないも全部お前が決めることだ。それで……そろそろ能力について……」

「那珂川くんはさ、なんで神祇に入ろうと思ったの？」

僕は那珂川くんの言おうとしたことを無視して、そう問うた。

「……俺の家系は代々異能力者で神祇に入ることが決めれられいる。俺には兄がいるが、その兄も神祇に所属している」

「そうなんだ……」

「親から言われたからって言うのも理由の一つだが、俺は将来人の役に立つ職業に就きたいと思っていた。自分のちっぽけな能力で人々の役に立つなら、俺は命を懸けてまがれ退治に務めている。っと言っても、神祇に入ったのは最近の話なんだけどな」

「……やっぱすごいね。那珂川くんは」

「なんでだ？」

「そうやってさ、危険なこともできるなんて僕はできないよ……」

「……そんなことはないと思うぞ」

「え？」

「お前この前俺を助けただろ？2mを超える大型のまがれを倒しておいて、よくそんな弱音が吐けるな」

「あ、あれは……」

「大丈夫だ。お前はもっと自信を持て。お前は弱くなんかない。あんな巨大なまがれを倒したんだ。この那珂川怜樹が保証してやる」

「ありがとう……那珂川くん……」

「どういたしまして」

那珂川くんはニコッと笑った。那珂川くんが笑うところを見るのは初めてだな……

「それで……そろそろ能力について教えてく……」

「那珂川くん!!僕神祇の試験受けてみるよ！僕も誰かの役に立ちたい!!ゲームに出てくる勇者みたいに!!」

「ああ……そうか……頑張れよ!!」

「うん!!じゃあ明日ね！」

「ああ……また明日……」

ー翌日神羅高等学校 2年B組
「紫音先輩!!いますか!?」

「A君じゃない。どうしたの？」

「僕神祇の試験を受けたいです!!どうか受けさせてください!!」

「……そうこなくちゃ」

次回に続く