生きたい理由が出来た少女の話

二十五話 小竜side ページ28

ここは審神者という存在が本丸という場所で育成を行う場所


そこには全種類の刀が揃っていた

短刀以外は


内番も部隊編成も遠征部隊もなんの不満もなく定められていて文句はなかった


だけど


この本丸の審神者は子供が嫌いだった


僕達長船は審神者に愛されていた方だった


ただ、謙信は目の前で殴られる


腸が煮えくり返る気持ちでそれを見ていた



何故助けないかというと



粟田口の短刀が殴られている所を長男が見てしまい

それを止めている最中、その場で短刀を折ったのだ


ショックだったんだろう

それ以来、あの長男が部屋から出て来る事はなかった



僕達が止めると謙信は折られる


燭台切は1番年上なのに何で助けられないんだろう。と弱音を吐いている所を見た


小豆と大般若は目を瞑ってその光景を見ないようにしている


謙信は、助けを求めるようにこちらを見てくるが、助けられない



だが、ある日



謙信｢ほんまるのもんがあいてる…｣


虚ろな目で門を眺める謙信


大般若｢逃げたい所だが、見られるとお前さんは折られる可能性がある
ダメだ｣


謙信｢…うん｣


小豆｢謙信はいいこだ…｣


もう、逃げ出してしまいたい

謙信ももう、限界だろう？

小豆や大般若だってもう耐えられないはず


燭台切はスクっと立ち上がり

こう告げた



燭台切｢逃げ出しちゃおうよ｣

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