拒絶した居場所 ページ2
一日休んだだけなのに、凄く久しぶりな気がした。
講義室の扉を開けると、伊杏と優芽と紗羽の姿が見えた。
『昨日はごめん…』
そう謝る私に、気にしないでと笑う皆。
伊｢帰りさ、カラオケ行かない？｣
紗｢あ、ここうちの近くだよ、最近できたとこ。｣
優｢行ってもいいけどAどうする？｣
何事も無かったかのように接してくれる皆の存在が有難いと思った。
『うん、行きたい。』
じゃあ決まり、と言って笑う3人に釣られ私も笑顔になる
通知音には気づかないふりをした。
────────────
携帯に映る時刻は21時半を告げていた。
伊杏の歌声を聞きながら、通知が溜まる画面を見つめていると紗羽が隣に座った。
｢時間平気？皆さん心配してるんじゃない？｣
『…してないよ』
｢え？｣
『どうせ本気で心配なんてしてない』
｢…なんかあったの？｣
何も無いよと呟いて、テーブルの上のジュースに手を伸ばす。
『紗羽、』
｢うん？｣
『居場所がないのと、居場所がないと思うのどっちがしんどいんだろうね』
ストローを弄びながらそう呟いた瞬間、携帯が震えた。
画面に表示される名前を見つめる。
｢…でないの？」
『…出てくれる？』
紗羽に携帯を差し出すと、目を丸くして私を見つめる。
『家に帰りたくないの。みんなの顔も声も聞きたくないの。…そう言ってくれる？』
紗羽が困惑顔で携帯に目を落とした。
その顔を見て、我に返る。
『ごめっ、気にしないで』
｢…いいよ｣
『え？』
｢伝えてあげる｣
『ちょ、待っ、』
私の携帯を奪い、部屋を出る紗羽を慌てて追いかける
『紗羽！いいよ、大丈夫、』
｢居場所がないって思うほうが辛いよ。｣
『え？』
｢…自分の居場所があるのか分からないままそこにいる方が辛い…私に居場所をくれたのは、Aだから…今度は私がAに居場所をあげる。｣
そう言って応答ボタンを押す紗羽
｢もしもし？…Aじゃありません｣
A！？という声が受話器口に聞こた後、
「あ？」と低い声が漏れてきた。
｢…Aは、私のところにいます。じゃあ、そういうことで。｣
携帯から耳を離した紗羽
｢逃げるよ｣
そう呟いて部屋に戻る、その後を慌てて追いかける。
｢ねー、さっき部屋の前で店員に会って、混んでるから退出してって言われた」
何事も無かったかのように明るいトーンで話す紗羽の顔を驚きながら見つめる。
紗羽と目が合った瞬間、真剣な顔で大きく頷いた。
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happytaimama(プロフ) - 今晩は。こちらの作品何度も読み返して読ませてもらっています。続きを読みたいので、パスワードを教えていただけますか？宜しくお願いします。 (2月16日 18時) (
レス) id: 4f1df4c5a4 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 感動しました。 (2020年12月16日 14時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
梨紗(プロフ) - もう更新はないのでしょうか……？ (2019年1月25日 23時) (レス) id: 5703e26db8 (このIDを非表示/違反報告)
м i i(プロフ) - 続き楽しみにしています！！ (2018年12月28日 1時) (レス) id: 223aa4411e (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 待ってますすすすby mj (2018年12月24日 18時) (レス) id: 866e6acc2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：jiu.
| 作成日時：2017年11月22日 11時
