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Aはクラスの8割ほどが登校しザワザワしてきたところで目が覚めた。まだ予鈴がなるまで20分ほどあるが、初日からしっかり寝直せるほど豪胆ではない。今日は入学式である。男子にしては髪が長いため後ろでまとめることにした。
Aには性別がない。個性社会のためある程度の特異性は気に留められないが分けられる場合女性より男性にしておいた方が問題が少ないかと考えたため、Aの纏う制服は男子生徒用である。 女子生徒と名乗った時に凹凸の無い滑らかなシルエットを周りと比べて自分が精神的に打撃を受けるかも、と画策したというのはここだけの話だ。
｢うわーお前綺麗な髪だな！眩しいぜ！｣
伏せ目がちに髪を手で梳いていた時、前方から赤髪を逆立てた生徒に話しかけられた。
｢ありがとう…目チカチカしない？大丈夫？｣
アクアマリンの屈折率はダイアモンドなどと比べると格段に低いが、光に当たれば輝くのに変わりない。
｢大丈夫大丈夫！突然話しかけてごめんなー？俺切島鋭児郎だ！よろしくな！｣
｢俺は結輝A。話しかけてくれてありがとう。仲良くして欲しいな、よろしく！｣
差し出された手に自分の手を重ねる。座席によるAの不安は杞憂に終わったようだ。流石ヒーロー志望、社交性が高い。
切島と自己紹介も兼ねて軽く話をしていると予鈴が鳴った。自分の席へ帰っていく切島に手を振り教卓へ向き直す。学校生活はなかなかよいスタートを切れただろう。
寝袋状態で10秒チャージを披露した担任の相澤先生からの指示で個性把握テストの為にグラウンドへと向かう。
先生からテストの説明を受けたあと、なんやかんやで最下位は除籍処分という初日からシビアな展開になってしまったが、入試同様持てる力を最大限に発揮するのみである。むしろ十人十色の個性を初日から見ることが出来るのでAは目を輝かせていた。
種目は50メートル走、握力、立ち幅跳び、反復横跳び、ソフトボール投げ、持久走、上体起こし、長座体前屈の8つだ。 早速50メートル走の記録を測るため出席番号で並んでいると見覚えのある女子生徒がストレッチをしているのが目に入った。
(電車で会った子だ…！！同じクラスだなんて縁がある…)
少し時間は経ったが覚えているだろうか。
そっと立ち寄って、
｢ねぇ君…｣
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あかや - とても面白かったです！更新待ってます〜！ (2020年12月15日 13時) (
レス) id: 51d8bbe764 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてる - とてもよかったです(´；ω；｀) (2020年4月19日 18時) (レス) id: d34f4e9add (このIDを非表示/違反報告)
八百(プロフ) - みんなが名前を呼んでるとこでちょっと涙出ちゃいました…更新待ってます！ (2019年3月29日 21時) (レス) id: db047f61b6 (このIDを非表示/違反報告)
音春(プロフ) - 更新頑張ってください！(受験勉強も) (2018年12月1日 17時) (レス) id: f210cca1fd (このIDを非表示/違反報告)
星を見守る砂岩(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2018年11月16日 21時) (レス) id: 5a8ebe94bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さも | 作成日時：2018年2月9日 2時
