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結輝Aは真昼の日光を浴びてベンチで微睡んでいた。
本来なら白粉を落として最大効率で光を吸収したいところだが、中庭に水色に透けた人間が全裸でうろついていれば大騒ぎになるだろう。いくら自由な校風とはいえ露出狂紛いの行為はNGである。
眠気も最骨頂に達し頭をがくんと落としたその時、けたたましく警報音が鳴り響いた。
遠ざかっていた意識をすぐに連れ戻しベンチから跳ねるように立ち上がる。避難誘導に従って大勢の生徒が押し寄せてくるのをガラス越しに見た。何が起こっているかはわからないがとりあえずここから出よう、とドアノブを捻るが人が多すぎて押せもしない。
人が引くまで待たないと…と思ったその時、食堂の当たりから大声が聞こえた。人の動きも止まり、何があったのかと視線をやる。人混みとガラスで見えにくいが壁に張り付いていたのは飯田だった。
事態も収まり教室に戻った。さっきの混乱を収めたのは飯田だったようで、緑谷から委員長に指名されていた。非常口ー！と叫ばれているが飯田の個性は非常口だったか？と素直に疑問に思う。
(そういえば、帰ってくる途中に校門のシェルターがボロボロに崩れていたのを見たけど大丈夫だったのかな？)
｢ただいまー…と｣
Aが住んでいるのは雄英から二駅ほど離れた街のマンション。特別広い訳では無いが万全のセキリュティが売りの新しいものだ。
家具はローテーブルとテレビ、ロングマットのみで部屋は閑散としている。
制服から部屋着に着替えて壁にもたれて座る。8時。いつもこの時間にAの担当研究員から電話がある。Aの行動はほぼ全て、把握されているのだ。
｢もしもし、アクアマリンです。１日ぶりですね遠見さん。って呆れないでください！ 今日は雄英に…｣
｢…はい。それでは。｣
画面を押し通話を終える。軽い口調ではぐらかしておいたものの登校時にメディアにAの姿を撮られた事にお叱りがあった。あなたを知って利用しようとする人間は少なくないのだ、と利用する側に注意されるのは複雑な気分である。
髪の毛だろうと手足だろうと好きに持っていけばいい。ただ、彼らを見つける邪魔だけは決して許さない。先生もう一度会う、と心に決めたのだ。
無意識に噛み締めていた奥歯がギリ、と軋んだ。
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あかや - とても面白かったです！更新待ってます〜！ (2020年12月15日 13時) (
レス) id: 51d8bbe764 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてる - とてもよかったです(´；ω；｀) (2020年4月19日 18時) (レス) id: d34f4e9add (このIDを非表示/違反報告)
八百(プロフ) - みんなが名前を呼んでるとこでちょっと涙出ちゃいました…更新待ってます！ (2019年3月29日 21時) (レス) id: db047f61b6 (このIDを非表示/違反報告)
音春(プロフ) - 更新頑張ってください！(受験勉強も) (2018年12月1日 17時) (レス) id: f210cca1fd (このIDを非表示/違反報告)
星を見守る砂岩(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2018年11月16日 21時) (レス) id: 5a8ebe94bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さも | 作成日時：2018年2月9日 2時
