星のカケラが10と5つ ページ17
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『此処は…
ハートの女王の庭か久しぶりだな』
Aはキョロキョロしながら歩いていると
〈急いでバラを赤く塗るんだ〉
〈急がなきゃ花がしぼんじまうぞ〉
〈急げ急げ、バラを塗り残してるぞ!〉
トランプ兵が手に赤いインクが入っているバケツを手に取り焦っている。
『またか、コレは大変だなぁ
あの人には言い訳は通用しないから頑張って塗らないと…
アレは?』
Aの目には金髪の青いワンピースに白いエプロンを着た可愛らしい女の子が入った。
『アレがあの人を怒らせた子かな…』
Aは目を細めて見定めているような表情をしていた。
〈何故白いバラを赤く塗るの?〉
少女_アリスは問いた。
〈〈〈え〉〉〉
『何故、白いバラを赤く塗るのか…
あの人は赤が大好きだから…かな…』
少し懐かしむように独り言のように呟き白バラを1つ摘み取った。
棘がくい込み手から少し血が滲む。
〈どうしてかって__
実はな、間違って白いバラを植えてしまったんだよ〉
〈女王様は赤がお好きだ。白なんて首になるよ!〉
トランプ兵達はそう答えいそいそとバラを赤く塗っていく。
アリスは首をひねった。
何故赤く塗るのか白じゃダメなのか、謝ればいいじゃないのか色々と頭の中で疑問がどんどん出てくる。
Aは血の滲む手で白バラをくしゃりと握りつぶした。
ヒラヒラと血で赤く染まった花弁が下へと堕ちていく。
彼女はそこで目を覚ました。
〜真紅の暴君編開幕〜
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ユノン - 続きが気になる (2022年9月20日 16時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ういろー。 | 作成日時:2022年9月19日 18時