紫に染まる【ショッピ】【短編集】 (ページ3)

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○:アニメページ3

「…ふふっ。」

「何笑ってるんすか。」

そんな事を言いながら、俺はコーヒーをふたつ、持ってきた。

「ありがとう。ショッピくん。」

Aさんはコーヒーを受け取り、またテレビに視線を移した。

「あのね、今季のアニメ、とっても面白いの。特にこれ!」

そう言うと、彼女はテレビを指差した。

「あのね、この子。強いし格好いいし、このアニメ当たりだよ、ショッピくん!」

彼女が “格好いい” と言う単語をアニメキャラ(男性)に言った事に少し来たが、彼女がぐいぐいと俺の腕を引っ張るのでそんな気持ちもなくなっていた。

「でね、その後この子がね、…ってどうしたの、顔、怖いよ…?」

あんまりにも彼女がそいつについて話すものだから流石の俺でも何かくるものがあった。
そして俺はいつの間にかリモコンを取り、アニメを一時停止した。

「…っあれ?」

「あの、Aさん。俺、ほったらかしなんすけど。」

少しだけ強引に、彼女を抱き寄せた。

「…!」

しっかりと抱き止めると、ソファに背中を委ねた。