ペリドットとアンバーvol.6【名探偵コナン】【赤井秀一】【安室透】 (ページ6)

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決戦１ページ6

　
　藤枝のホテルに到着したのは夕方だった。
「たくさん泣けたか？」
部屋に入ってきた二人に、藤枝は声をかける。
「ええ。おかげさまで」
突然聞こえた女性の声に、藤枝の顔が一瞬強張る。

「ラスティー…声が出るようになったのか？」
藤枝の驚いた顔を見て、りおは笑う。
「あなたのおかげよ。ありがとう」
そう言って見せた笑顔に、藤枝はかつてのエミリーの笑顔を見た。

　「こんなに効果があるとはなぁ」
藤枝は心底驚いていた。
「あなたのアドバイスがあったからだと思うわ…。
風の音も波の音も、ただ聴いていただけだったら何も起こらなかったかもしれない。
風の音がかつての仲間の声のように聴こえ、波の音が心の中を、全て洗い流してくれるように感じた。
それはあなたの言葉があったからだわ」
「…そうか。こんな俺でも役に立てたのなら良かった」
藤枝は微笑んだ。

　「今度は私の番。動画の彼、キムウジンと会う算段でもしないとね」
さくらはそれまでの優しい笑顔とは違う、『ラスティー』の顔を向けた。
「…お前、もうヤツの名前まで分かったのか…。さすが仕事が速いな…」
「この男には、あなたとエミリーから大事な時間を奪った償いをたっぷりしてもらうわ」
そう言うと、さくらの目は鋭い光を放った。

　「昴さんにお願いがあるの。武器をいくつか用意してもらえる？」
「おいおい、大学院生が武器とか用意できるのかよ…」
藤枝が呆れたように言った。

　「良いでしょう…何を用意すれば良いです？」
昴の答えを聞いて、藤枝は出来るのかよ！とニヤニヤしながら突っ込んでいた。
「やっぱり堅気の院生じゃなかったんだな」
感が当たった、と得意げな顔を昴に向けた。

　「拳銃なら何でも良いわ。リボルバーでも自動拳銃でも。
殺すために使うわけじゃないから威力はそんなになくても良いわ」
それを聞いて昴は少し考え込んだ。
「あなたが使うなら、あまり大きくないほうが良いですね。分かりました。用意しておきましょう。」
ポケットからスマホを取り出しメールを打った。

　「他に用意するものはあるのか？武器なら俺も仕事柄用意できるが…」
藤枝がさくらに声をかける。
「あなたはこれ以上罪を重ねちゃだめよ。
後は私たちの有能な仲間に任せておけば大丈夫よ」
そう言ってさくらは微笑んだ。