３０.再会 ページ33
部屋に残ったインバースと、私は雑談をしていた。主な内容は、色気について。
ギムレーはと言うと、まだ何かをグツグツと煮込んでいる。
匂いからして、シチューだろうか？
「やっぱり……露出度を上げた方が良いんじゃないかしら？」
「あ……私の服、露出度低いですからねぇ」
今私が来ている服は、ギムレーと全く同じデザインで、ローブの色だけが違うのだ。
そのため、露出度はかなり低い。
でも、私はこの服が嫌いじゃない。ギムレーが誕生日プレゼントだと言ってくれたから。
「でも……リュヌちゃんはリュヌちゃんのままの方がいいわよ？貴女の性格に救われた人たちだっているもの」
インバースはそう言うが、何となく話を変えられてしまった気がするのは何故だろう。
「そろそろお見えになったかしら？ではギムレー様、先に失礼します」
「ああ」
熱心に料理をするギムレーにお辞儀したインバースは、私の隣を通って部屋の扉を開けて外に出て行ってしまう。
私の隣を通り過ぎる瞬間に、インバースは私に耳打ちした。
『頑張ってね』
あれは、何のことだろう？
「僕も客人をもてなしに行くよ」
いつの間にか、ギムレーが私の後ろに立っていた。
「じゃあ、私も行くよ」
私が振り返ってそう言うと、ギムレーは複雑そうな表情を浮かべる。
「大丈夫かい？クロムたちは君にとっては仲間だった人間だろう？」
「大丈夫！フードで顔を隠すから！」
私はそう言うと、ギムレーは深くため息をついた後に、渋々頷いた。
「僕から離れないようにね？君はただでさえ危なっかしいから」
「分かった」
私が言うと、ギムレーはフードを被り、部屋を出る。
私もフードを深く被って、ギムレーの袖を掴んでついて行く。
やがて、インバースたちのいる広間につくと、そこには既に、クロムとルフレさん、フレデリクさんがいた。
「最高司祭殿、こちらへ」
ファウダーが言うのを聞き、ギムレーは前へと進む。
私も後ろについて行き、緊張からギムレーの袖を掴んだ手に力が入る。
「……」
「貴方が、ペレジアの最高司祭なのですか？」
黙ったままのギムレーに、ルフレさんが聞く。
久しぶりに聞いた師の声に、私はホッとする。元気そうで何よりだ。
「……」
ギムレーは、フードの下からルフレさんを真っ直ぐに見据える。
私は、出来る限りルフレさんたちの視線に入らないよう、ギムレーの後ろに隠れる。
そんな中で、ピリピリと張り詰めた緊張感が流れた。
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005(プロフ) - とても感動しました！すごくシリアスな展開からのハッピーエンド素敵でした！ (2018年4月21日 21時) (
レス) id: 1fcd95cf50 (このIDを非表示/違反報告)
やまたこ - 面白かったです100点！ (2018年4月16日 7時) (レス) id: 4e05d1b0ac (このIDを非表示/違反報告)
リムス(プロフ) - 書き人知らずさん» こちらこそ、コメントをくださりありがとうございました。この物語を読んでくださり、ありがとうございます。 (2018年3月23日 12時) (レス) id: 27e40c194f (このIDを非表示/違反報告)
書き人知らず(プロフ) - 感動する物語をありがとうございました。 (2018年3月23日 11時) (レス) id: bdbb5f59e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リムス x他1人 | 作成日時：2018年3月1日 22時
