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10.敵か味方か ページ11

僕は今、ある場所に訪れている。
この“器”が仲間を殺すであろう場所に。

何故こんなところにいるのかと言うと、ただの暇つぶしだ。

なるべく、リュヌから距離を置きたい。

あれの近くにいると、妙な気分になる。
仲間だの絆だの、下らない。そんな曖昧なものに縋るのは虫けらがすることだ。

……やはり、あの女は処分した方が良いのだろうか。

もうしばらく、様子を見るとしよう。
そう思い、リュヌの場所を探る。

場所は……イーリス聖王国か。

また面倒なところにいるな。
向かいに行く僕の身にもなってくれよ、全く。

僕はため息をつき、イーリス聖王国に移動し、ある本屋でリュヌを見つけた。

だがそのとき、リュヌはあの“器”といた。

「これはこうなるだろう?だから、ここのペガサスナイトをこの位置に移動させて……」

「あ、じゃあここにいる弓兵でドラゴンナイトを先に……」

「それもいいけど、ここには【ウィンド】をもつ魔導師がいるから、この状態ならそっちに任せた方がいいだろうね」

「あぁ〜……なるほど」

なんとも親しげに話す2人の様子は、仲間のそれだ。

ルフレ。僕の“器”の名前だ。
何故お前は、我にないものを持っている。

我の友人までも、我ではなくお前に味方するのか?

不快だ。

今すぐどちらも殺してしまいたい。
だが、それをしてはわざわざ過去にまで来た意味がない。

しかし、リュヌまで使い物にならないとは。

なかなか従順な駒だと思っていたのだが、所詮は人間だったということか。

まぁいい。虫けらが1匹増えたところで、我を止めれるものはない。

運命は、定まった方向にしか動かない。

僕は踵を返し、イーリス聖王国を後にする。

『いついかなる時も、友の背中は友が守る』

また、あいつの言葉が頭を過ぎった。

馬鹿馬鹿しい。

僕が食い殺してあげるよ。
すぐには殺さない。この“器”と同じように。

破滅と絶望の前に死ね、リュヌ。

______________________________________

誤解をしてとんでもないことを言うギムレー様でした。

11.間違い→←9.友に似た師匠



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005(プロフ) - とても感動しました!すごくシリアスな展開からのハッピーエンド素敵でした! (2018年4月21日 21時) (レス) id: 1fcd95cf50 (このIDを非表示/違反報告)
やまたこ - 面白かったです100点! (2018年4月16日 7時) (レス) id: 4e05d1b0ac (このIDを非表示/違反報告)
リムス(プロフ) - 書き人知らずさん» こちらこそ、コメントをくださりありがとうございました。この物語を読んでくださり、ありがとうございます。 (2018年3月23日 12時) (レス) id: 27e40c194f (このIDを非表示/違反報告)
書き人知らず(プロフ) - 感動する物語をありがとうございました。 (2018年3月23日 11時) (レス) id: bdbb5f59e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リムス x他1人 | 作成日時:2018年3月1日 22時

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