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「いーことしてんなぁ、お嬢さんがた」
「おはよう、キバナ。よく眠れた?昨日は先に寝ちゃってごめんなさい。びっくりしちゃった、起きたらすぐ近くにいたから」
「おはようさん、まあまあ眠れたかな。なんか疲れてそのまま寝落ちしちまった、悪い。なに作ってんの?…雑誌のパンケーキ?」
朝からねだったなおまえら、と若干力を入れてぐりぐり撫でまわすキバナに、だって食べたかったからと抗議の甘噛みをするみんな、上機嫌な表情はやっぱり似ている。
「私も食べてみたかったの。ポケモンと一緒に食べれるご飯なんて、木の実とカレー以外にもあるんだね」
「最近流行ってきたからな、カレーはその火付け役。タイプ違いで中々避けるもんも多いけど、こっそりつまみ食いとかじゃなくて、やっぱおんなじ飯食えるなら食いたいもんなあ」
「ドラメシヤが食べられないものが少なくてよかった…そういえばみんな用に沢山作っちゃったけど、良かった?」
「ん、大丈夫。…ありがとう、起きたばっかで大変だったろ。材料が手軽な割にあいつら結構喜ぶから、朝の定番になりかけてんだ、これ」
「そうなんだ、じゃあもっと上手に作れるようにならなきゃ。少しも焦げずに作るの、難しいねえ」
「ちょっとくらいならウマいもんよ。気にすんな」
手慣れた様子で食器棚から大皿を用意するキバナ。普段は人ごとのお皿を出すけれど、今日はみんなで取りやすいようにめいっぱい並べて、大喜びで先導するヌメルゴンに続いて二人でテーブルに運ぶ。どこからかサンドイッチも追加されて、すっかり豪華な食卓になりそうだ。…そういえば、朝手を握っていたのは黙っておこう。どちらも寝ぼけて、覚えていないかもしれないし。
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作者名:aks | 作者ホームページ:http://alterego.ifdef.jp/
作成日時:2023年3月21日 20時