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12_10 ページ21

『…そしたら、ドラパルトが面白がってフライゴンの頭にドラメシヤわんさか乗せちゃって、身動き取れなくてかわいそうに、でもあの子いつも泣かずにつぶらな視線だけで訴えてくるんですよね、だから、』

「ぐう、き、キバナ様、辞書を…辞書と活用表とペンをください…もう追いつけな、」

「ふは、さすがに辛いか、辛いよな。てかAちょっと面白がってるだろ」

「凄いです、リョウタさんにも言葉が通じます!」

『リョウタ、言語系のテスト毎回トップクラスでさ。コツコツ型の秀才ってヤツ』

『すごい…私もまだまだ分からないこと沢山あるから、頑張らないと』

『Aはもう十分だと思うけどな。あんま変なモン覚えてもキリないし』

『うーん、でもまだ読めない言葉いっぱいある。そこの雑誌も、えーと、熱く、愛する?って?』

『ウワ!これよくない!良くないやつだから!』

『でもキバナが表紙になってる、見てみたい』

『これは駄目。えーと、あまり言葉の使い方が良くない。もっと読みやすい、良い本渡すから』

『そっか…』

「流れるように私達には全然分かりませんね」

「キバナ様も大概とんでもないネイティブになりましたしね」

「あのレベルに、あのレベルについて行けるようになりたい…!あッキバナ様!その雑誌は既に対策済なので捨てていいヤツです!こちらに!」


爆速で取り上げた週刊誌を後ろ手でリョウタにパスし、すぐ横のゴミ箱にダストインされるのを見守る。表紙もろともくしゃくしゃになった有様に若干しょげたAは、今度はその辺に積み上がっていたファイルに興味を移す。オレの許可を取って中身を開いたはいいものの一文字たりとも進まず、クエスチョンマークがいくつも出ているのが手に取るように分かって、悪いと思いつつも口端が上がる。あれはジムの経理調書だから分からなくて当然だ、オレでも疲れてると目を回す自信がある。

ゴミ箱ごと遠ざけがてらポッドのお代わりをついできたリョウタが再度本を取り換えて、ページを見開きながらゆっくり解説を入れる。次なる教材は、各ジムチャレンジで通過するタウンを写真付きで紹介している観光ガイドブック。この時期に各タウンで無料配布されるもので、簡易的なものとはいえ基本的な名所と特色を知ることができる。なかなか良いチョイスだ。…やはり言語系はリョウタの方が俺より強い。

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設定タグ:キバナ , ポケモン剣盾 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:aks | 作者ホームページ:http://alterego.ifdef.jp/  
作成日時:2023年3月21日 20時

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