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12_02 ページ13

結局、相手側がしでかした中で処罰に値する行為とされたのは、文化財の破壊と不法厳選の件だけ。ジムバッジ剝奪と、ターフジム有する農場での一定期間の労働奉仕及び、トレーナーとしての再教育。所持していたポケモンは一旦隔離されて各タイプジムの保護下に入り、互いの了承がなければ面会も叶わなくなる。近年あまり見られない厳しめの処遇だが、とはいえ重々反省を見せれば、時間をかけて元の立場に戻ることはできる。それを見越した上での更生策。


「キバナ」


見かけ上大きな怪我がなかったAの被害は、目に見えて崩れ落ちた見張り塔の損失に吞まれて無かったことになった。結果論の配分が多い処罰にオレを筆頭に幾人か異議申し立てはしたが、あまり突き詰めるとドラパルトの立場が揺らぐのは目に見えていた。

野生のポケモンとして一緒に過ごしていただけならば、元のトレーナーが申し立てをすれば所有権は前所有者に傾く。そうでないのならポケモントレーナーとしてドラパルトを捕獲する努力をし、自分の手持ちとすべきでは、となる。トレーナーに対する加護が強いと評判のガラルらしい弁論だが、Aのように強さを追い求めない人間には相容れない時もある。

ドラパルトとAの間にある絆や感情を述べたところで、定量的なモノでない訴えは概して弱い。それでも、ブチギレながらもオレを巻き込んで技を出さなかったことと、街中でカブさんの言葉を聞き入れて自発的に静まったことが大きなプラスに働いた。無罪放免とはならなかったが、Aと同じくナックルジム下での保護監視で済んだのはまあまあ良い結果と言って良いだろう。これ以上ビークインの巣をつつくような真似をすれば、おやがいない野生ステータスのままで街に滞在すること自体が問題視される可能性もある。


「おいキバナ、」


これ以上不安定な立場のAに余計な嫌疑をかけるのは本位じゃない。自分の中の最低ラインだった、リーグから彼女とドラメシヤ達への生活保障は継続されたので、渋々口を噤んだのはつい先程だ。


「そんなに呼ばなくても聞えてる」

「ご自慢のナックラーモデルヘッドセットの性能は分かっているさ。問題は君の耳と頭だ、しっかり聞いてくれなきゃ困るぜ」

「…わかってるよ」

「そんなにターフジムは頼りないですかぁ、キバナさん」

「お前を侮ってる訳じゃないさ、ヤロー。ただその…オレ自身が全部納得し切れたわけじゃないってだけだ、悪い」

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設定タグ:キバナ , ポケモン剣盾 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:aks | 作者ホームページ:http://alterego.ifdef.jp/  
作成日時:2023年3月21日 20時

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