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ガチャ
『どうぞ入って。お茶いれるね。』
山「あぁ、ありがとう」
山「あのさA、聞いていいのかわかんないけど俺めっちゃ気になってるから聞いていい?」
山「しげとはなんかあるの??」
『やっぱ、気になるよね…』
山「まぁ、うん。9月になるとA仕事めちゃくちゃ頑張って詰め込むようになったし色々9月は無理してる気がしてて、それに、普段はそんなに一緒にいるとこ見ないけど9月になるとしげといるじゃん?だから気になって」
『しげ''とは''何もないの。ただ、しげと共通の人がこれには関係してて…長くなるけど聞いてくれる…?』
山「うん」
『しげにはね、弟がいるんだけどその弟と私は同い年で、同じ大学の同じ学部で、ゼミも一緒で研究も研修も全部一緒だったの。』
山「うん」
『その弟、和毅っていうんだけどね?和毅、今いわゆる植物状態でもう病院に3年かな。ずっと寝たきりで起きないんだ。』
山「うん」
『そうなった理由は私のせいで。課題のために2人で研究室にこもってる時、研究材料探しに私は外に出ててできる所まで進めててって和毅に実験を進めてもらってたの。その時の実験で合わせちゃいけない成分を混ぜ合わせちゃってそれで…事故がおきて和毅は巻き込まれた。』
『私が一緒にいれば配合の間違いに気づけて防ぐことができたかもしれないのに、1人でやらせたから和毅が寝たきりになっちゃった。』
『お母さんが亡くなった昔と和毅の件とで自分の中で何かが崩れちゃったんだよね。9月になるとどうしようもなく精神がやられるようになって、自分の気持ちのコントロールが出来なくなっちゃって…』
山「うん」
『仕事してる時だけは考えずに集中できるから仕事を詰め込むようになったの。おかげで鬼の形相だって怯えられるようになっちゃったけど、笑』
『で、しげが年に1回和毅の所にお見舞い一緒に行こうって気遣ってくれて、毎年日程合わせて会いに行ってるの。今日はその日。』
山「そうだったんだ…」
『もう嫌になっちゃうよね。ここまで来ると自分の周りにいる人達がみんないなくなっちゃうんじゃないかとか、人と関わらない方がやっぱりいいんじゃないかとか思っちゃう。自分の周りの大事な人達をこれ以上なくしたくない…』
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作者名:ゆる | 作成日時:2023年8月25日 20時