ネイビーガール (ページ1)

今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:33,346 hit

１ページ1

.

「 A 」

「ん、」

彼の声で目が覚める

「 …朝？」

「うん、起きて」

「ん～～～～～」

「おはよ、A 」

優しく髪を撫でられて、擽ったい

「おはよ、北斗」

今日も、幼馴染に起こされて一日が始まる

「やば、もう八時じゃん」

「あいつまだ寝てんだろうな」

「北斗起こしてきて」

私支度するから、と言うと頷く北斗

303号室から出て、407号室へ

あいつを起こせるのは北斗しかいないもん

「お待たせー」

「遅えぞA 」

「あ、おはよ樹」

遅えぞ、って

あんた北斗が起こさなかったら遅刻してたでしょ

って言ったら

「お前も俺が起こしてんじゃん」

って北斗に笑われた

確かに

六階建ての、どこにでもあるような普通のマンション

103号室の北斗、

303号室の私、

407号室の樹

ちなみに樹のとこは角部屋だから広いの

田中家は人が多いから丁度いいね

割と子供が住んでるこのマンションだけど、同い年なのはこの三人だけで

おかげで小さい頃からいつも三人でよくまとめられてた

いわゆる、幼馴染ってやつだな

ここまできたらもはや腐れ縁だけど

「見て、Aの寝顔」

って北斗がスマホの画面を樹に見せる

「ハハッ、口めっちゃ開いてんじゃん」

って樹

「ちょ、やめてよ」

「北斗それエアドロして」

「はい」

「サンキュ」

「だからやめなさいってば」

二人の携帯を奪おうとするけど、そりゃあ無理なわけで

こいつら地味に背高いんだよね

「いいじゃん可愛いよ」

ってニヤニヤする樹はウザいし、

寝顔を撮影してる北斗はキモい

…もう知らん、怒った

.