恋、始まりました 3『染谷勇次郎』

ごじゅろっく！ ページ9

ふれるだけのキスが、いつの間にか深くなっていく






貴「ん..... ゆ....じろ....」









後頭部と背中に手を回されて動けない私は









深いキスにただただ溺れていった






貴「......は.....ぁ...」









リップ音や水音が保健室に響くたびに、勇次郎の服を掴む手が強くなる









少し唇が離れるたびに口から溢れる吐息が私の体温を上昇させる









服を掴む手も、力が入らなくなってほどけていく









そうなると後は勇次郎に身を任せる形になってしまった









貴「勇次郎......もう.....」








勇「あ！ご、ごめん」









勇次郎は我に帰ったようにはっ、となると







私に絡ませていた腕を、体を、ほどいた









貴「と.....とける....」






勇「......ごめん、我慢きかなくて.....」









勇次郎は落ち込んでしゅん.....となった









え









勇次郎の頭から耳が......っ！









眼球の裏に焼き付けとこ









考える人みたいに顎に手を当てていると勇次郎が私の顔を覗きこんだ









その瞳からは、悲しみが感じられた









勇「僕のこと嫌いになった？」









貴「杞憂だよ、勇次郎」









私、地球滅亡しても勇次郎と別れるつもりはないし、嫌うつもりもない









貴「あー勇次郎め可愛い、可愛いは正義だねほんと。悔しいぞ私」









この言葉は多分勇次郎のために作られたんだろうね









え、そう思ってるの私だけじゃないよね？

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