続＊A connected heart [ep.1]

35.YG ページ35

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ヌナに対して恋愛感情なんて
1ミリたりとも持ったことがなかった。
だって出会った時から可愛い弟の大事な人。


姉さん、友達、たまに妹。
俺にとってはそんな感覚。

妹は年上のヌナに失礼かもしれないけど
年上っぽくない時も多々あるから
そんな時は妹と接してる感じだった。


ジョングガがヌナに対する[大切]とは
また形が違うけど俺にとっても[大切]
ヌナはそんな存在。



大きくなっていく周りからの期待。
いつしか追いかける立場から
追いかけられる立場になり
次々と出てくる後輩たち。


焦り、不安、プレッシャー


でも逃げ出すことなんて、
放棄することなんて、
できるわけもなくて


辛い、しんどい、痛い、
なんてことも感じなくなりかけた…
そんな追い詰められた俺を
救い上げてくれのはヌナだった。



がむしゃらに手当たり次第音を作って
なんとか仕上げた曲。

メンバーに聞かせても反応はイマイチ。
もちろんPDからはボツ。

その曲を聞いた時ヌナは

「心が疲れてるんだね。」

そう言ったよな。



「音楽のことなんて素人だからわかんないけど
私、ユンギ君の作る曲好きだよ。
でもこれは…音楽が嫌だ！って、
そんな風に聞こえる。だからこれは嫌い。」


メンバーの誰もが気を遣って言わなかったことを
はっきりと言ったよな。笑


そのあとは大喧嘩だった。


YG「うるせぇよ！何がわかんだよ！！」

「だからわからないって言ってるでしょ！」

YG「だったら口出すんじゃねぇよ！！」

「はぁ？正直な感想聞かせて欲しいって言うから
正直に言ったんですけど」

YG「少しは気ぃ遣えよな！！」


上手くいかない苛立ちから
無茶苦茶なこと言ってる俺に


「ちゃんと言わないとユンギ君の為にならないから。あんな素敵な音楽を作れるあなたにだから言うんだよ？ね、ほんのちょっとだけ休もうよ。みんな心配してる」


メンバーでさえもピリついた俺に
何も言えずにいたのに

ヌナは正面から向き合ってくれたよな。



それから数日後
八つ当たりして悪かった、と謝れば


「ううん。私も…
何も力になってあげられないのに
偉そうなこと言ってごめんね」


と申し訳なさそうに言ってたけど


今ではヌナのおかげで
うまくバランスが取れるようになったんだよ。


曲ができれば1番に聴かせて
うまくいかない時は
気の済むまで話聞いてもらって。

感謝してるんだ…



だからこそヌナの傷つく姿は見たくなかった。


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