短・中 編１

◇蜘蛛女：告白後の404 ページ4

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「なぁ、志摩ちゃん〜？」





車を停めて休憩していると

ニヤニヤした顔の伊吹が助手席から話しかけてきた





志「････何も教えないぞ」



伊「まだ何も言ってねだろ」



志「お前のその顔はろくな事言わねぇ」



伊「失礼しちゃうな〜、俺はAとのラブラブ話を聞きたいだけ！」



志「だから何も教えないって言ってんだろ」



伊「もうチューした？」



志「教えない」



伊「そもそもいつ告ったの？」



志「うるさい」





まだまだ伊吹の疑問は止まらない様子で質問が続く









伊「やっぱ志摩が泥酔してAの家に押し掛けた日？」




志「はっ！？何でお前が知ってんだよ」




伊「･･･え、ほんとに家押し掛けたの？」





まさかの事態に思わず反応してしまったが、当の本人である伊吹はキョトンとした顔で聞き返してきた





志「････お前っ！」



伊「飲みに行ったって聞いてたから適当に言ってみたんだけど、、まさか志摩がねぇ〜」







普段の俺からは考えられない行動だったのか、伊吹はニヤニヤしてこっちを見ている








志「･･････ハァ････」



伊「で、勢いで告白しちゃった？」



志「、、、覚えてないんだよ」



伊「えっ！？告白した事覚えてないの！？」



志「いや、正確には酔ってる時に好きだ何だ言ってたらしい。酔いが冷めてから聞いた」



伊「んでそのまま流れで付き合ったの？」



志「その場で改めて言った」



伊「へぇ〜！酔って言った事誤魔化したりしなかったんだ？」



志「誤魔化すより、言い直した方がいいだろ」



伊「漢だね〜志摩ちゃん！」



志「完全に予定が狂ったけどな」



伊「まぁ確かに酔って言っちゃうのはまさかだったよね〜」






そう言って、出前で頼んだメロンパンを片手に笑いながら空を仰ぐ伊吹









今までの俺なら他人にこんな話しなかったが

こいつには、少しだけ聞いて欲しくなってしまったのかもしれない









過去に囚われた俺を理解しようと全力で動いて

扉をこじ開けてきたのはコイツだった






いつも真っすぐで

俺を信頼して前を走ってくれている






手綱を持っているのは俺だが、それを引いて俺を導いてくれるのは伊吹だ








コイツの真っすぐさにいつも助けられてる









伊吹にはAの事もお見通しだった様だし




コイツなりに俺を応援してくれているみたいだから




たまには話してやってもいいな








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