短・中 編１

志摩の彼女は白衣の戦士4 ページ18

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志「じゃあ、俺たちはこれで」



伊「後は担当の課に引き継ぐから安心してね」



『よろしくお願いします』






ひとまず初動捜査を終えて引継ぎの為、署に帰る俺たちに

忙しい中、廊下へ出てきてくれて挨拶をするA









伊「Aちゃんってさ、志摩のどこが好き？」



志「お前はいきなり何を聞いてんだ」




相変わらず突拍子もない事を言い出す伊吹に呆れながら睨むが、当の本人はヘラヘラしたままだった






伊吹の質問にAは少し考えた後、白衣のポケットに手を入れながら口を開いた




『ん―････恰好いいじゃないですか、仕事にも自分にも真剣で。



いつも冷静かと思えば感情的になる事もあって、迷いながらも警察官として必死に走ってる所とか･･･好きですね』






ヘヘッとハニかんだ彼女の姿に思わず抱きしめたい衝動に駆られた







伊「ラブラブじゃ〜ん♡いいな〜、俺もお医者さんときゃっきゃうふふしたい」


志「お前には無理だ、諦めろ」






すると俺達の会話に笑っていたAの後ろから助産師さんが走ってきた







「椎名先生！29週の高橋さん、早剥で緊急カイザーになりました！四宮先生がお呼びです！」





『分かった、すぐ行く。





じゃあお二人ともお気をつけて』







すぐに真剣な表情になり、俺達へ手短に声をかけた彼女は

白衣を靡かせて患者の元へ走って行った









付き合って3年になるが、白衣姿のAを見たのは初めてで

いつものホワホワした可愛い雰囲気と違ってカッコイイと思えた









伊「カイザーって何？」



志「帝王切開の事らしい」



伊「へぇ〜･･･カッケェな、Aちゃん


毎日たくさんの小さな命とお母さんを守ってんだ･･･」






志「･････あぁ」







仕事に誇りをもって輝く彼女の姿を褒められるのは、悪い気がしないな









医療現場なんて、俺達よりも多くの命に係わる仕事で


助けられる命ばかりじゃなくて、その悲しみに慣れる事なんて無くて


たくさん悔しい思いもして、涙を流す彼女を何度も見てきた




だけど、折れる事なく

1人でも多くの命を救う為に毎日戦ってる彼女を俺は誇りに思ってる




愛おしくも、尊敬できる大切な彼女の存在に俺も救われてる





帰ったらキツく抱きしめようと思いながら、俺はまた歩き出す







-END-



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