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最終話
ふぅっと吐く息は白くてすぐに消える。空を仰いで息を吐くレイ君の喉ばかり見てしまう。
「Aちゃん、聞いて」
そして低くて甘い声が耳を掠める。空から私に降りてきた視線にどきっとする。
「言わずにいようって思ってたんだけど」
「……」
「Aちゃんに対する僕の好き、はね」
「………う、ん」
「Aちゃんが他の男を考えてると思うと気が狂いそうになるくらいの、ひどい独占欲の塊のような好き、だよ」
「……え」
「だからAちゃんの好きとは違う」
「………」
「分かった？」
言ってることと表情が合わない。優しく微笑むレイ君の頬にはえくぼがあって、とても穏やかな印象を受ける。でも分からない、あなたが何を言っているか全然分からない。
「それ、私の好きと何が違うの」
私の気持ちと同じじゃん。レイ君が他の女の子を抱いてると思えば凹むし、お揃いのキスマークがついてる人がいっぱいいるんだと思うと辛くて辛くてたまらなかった。
「Aちゃんの好きは、ライクでしょ？」
は？なに勝手に決めつけてるの？どうして私の気持ちを勝手に軽量化しちゃってくれてんの？
「僕の好きは、ラブだから」
「は？」
「だからAちゃんに好きって言われたときはちょっと辛かった…ははは」
なに笑ってるんですか。辛かったのは私の方だよ。なんであのとき、それを言ってくれなかったの。
「本当に？信じていいの？」
「…うん。僕は遊びじゃなくて」
「…………」
「どうしても好きなんだ、Aちゃんが」
私だって、いや、私の方こそ遊びだった瞬間は最初を除いて１度もない。できるだけ伝えてきたつもりだったのに、全然伝わらなかったってこと？あーあ。嬉しいし悲しいしで、泣いちゃう。頬を伝う涙を雑に拭いて下を向く。さっきのキスよりも私が泣いてるほうが周りの視線を集めるらしい。
「あっ…Aちゃん？」
「好きだよ、レイ君」
「え…だから」
「あなたと同じ好き、だよ。信じて」
自分よりいくらも背が高いレイ君の頭を、背伸びして引き寄せて自ら唇を重ねる。さっきよりも長く、気持ちが伝わるようにと角度も変えた。ぱちっと目を開くと、たれ目を大きく見開いて私を凝視していた。ゆっくり離れて踵を下ろすと、すかさず追いかけてきてもう一度重なる。今度は少し強めに。色んな視線が集まってるにも関わらずに耽って、なんなら少し興奮さえした。
end
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こむ(プロフ) - ひなさん» 遅くなってスミマセン！コメントありがとうございますー！わーん( ；∀；)嬉しさ爆発です！！続編できるの、時間がかかるかもしれないですが…(*´ω｀*)やる気出ました！ありがとうございます！ (2018年1月21日 14時) (
レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 執事セフンたまんないです！きゅんきゅんがとまりません( ；__；)また続編よみたいです、、！ (2018年1月14日 2時) (レス) id: c290ea6bde (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - ジュンミさん» はじめまして！めっちゃ嬉しいお言葉ありがとうございます！！そんな風に思っていただけるなんて感無量です！いつかお答えできるように進展させようと思います、脳内で！ (2017年12月17日 23時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
ジュンミ(プロフ) - はじめまして！すごく好きなお話です！！セフン との話長編で読みたいです！！！！！ (2017年12月11日 0時) (レス) id: 02379d08bf (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます！そのお言葉をいただけることがもうスーパー嬉しいです！！ (2017年12月10日 1時) (レス) id: 8ae68e1cd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむ
| 作成日時：2017年11月21日 0時
