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▷あなた

『人気YouTuberと秋のコラボ！』

そんな標題のメールが送られてきて、またしても本社へ戻ることとなった。
若いYouTuberのグループらしく、私が部内で一番歳が近いから担当とのこと。
…まあいいんだけど。

資料に目を通すと、企業案件としてうちの物件を紹介してもらう動画を撮ってもらうらしい。

全員が1999年生まれの男の子5人組のグループらしい。

早速打ち合わせらしく、都内のホテルのラウンジで待ち合わせ。指定時間30分前だからまだ来ないだろうと思い、先にコーヒーを注文。

禁煙のお店ばっかだなー。煙草吸いたいな。

そう言えば昨日車で事務所まで送ってくれたお隣さん、可愛かったな。だいぶ疲れてそうだったのに、色々頑張って喋ってる感じが…。あれ、私歳下好きだっけ？(笑)

そんなことを思いながら、ぼーっと外を眺めていると目の前にすらっとした背の高い青年が立っていた。

やまと「すみませんお待たせしちゃって。鈴木大飛です。今日はよろしくお願いします。」

白い歯を見せながら明るく笑う。立ち上がり名刺を受け取り、私も名刺を差し出す。

「冬月Aです。今回の企画を担当させていただきます。お力添えよろしくお願い致します。」

歳は3つ下のはずなのに、なぜかそう見えない。きっと色々な経験をしてきているのだろう。法人事務所を立ち上げてYouTuber、いいな。楽しそうに話す鈴木社長から目が離せない。

企画の概要を説明してから、スケジュールの打ち合わせ。次回は先方の事務所の近くで打ち合わせをすることになった。

私の住んでる部屋からめちゃくちゃ近くてびっくりした。

「余談なんですが、御社の事務所と私の住んでる部屋近くて…。そちらでお打ち合わせできると正直助かります(笑)」

やまと「え、冬月さん都内に住んでそうなのに！(笑)」

では次回もお願いします、と立ち上がったところを鈴木社長に静止される。

やまと「オフレコでプライベートの話ししてもいっすか？」

「んー、私は一応まだ業務時間内なんで…(笑)」

この後本社に戻って企画書をまとめないと。たいして時間はかからないけど。

やまと「…じゃあ連絡先教えて欲しいっす。」

ちょっと拗ねたように言う姿がなんだか可愛く見えた。今日初めて、年相応な顔をしている。

「いいよ(笑)ほんとはだめだから、オフレコね？」

プライベート用の携帯でLINEを交換すると、鈴木社長は満足そうに帰っていった。