元カレ、推しでした【青】

# 7話 ページ8

後ろから聞こえた声は

大人っぽい顔立ちをした紫色の髪の人


馬鹿な私でもこの人は知っている

ころんくんの所属するグループのリーダー

ななもり。さんだ




な「ころんの知り合い？
　知り合いが来るなんて言われてないけどなあ」




少し低い特徴的な声が

何故だか今は少し怖い




『すいません…わたし、帰らないとで、』




先を見据えているような目が

圧をかけられているようで言葉が辿々しくなる


それでも帰らないところんくんが帰ってきてしまう

それはダメだから




な「うーん、ころんに聞いとかないとだし無理だね
　 リスナーさんだったら困るし」

『わ、わたしリスナーです…』




どんな形であれここから離れたい


出禁になっても、この人に嫌われても

もう私には関係ないんだから




な「なら尚更帰せないね
　 ころんに話聞かないとだし」




私の腕を掴んでまるで逃さない、とでも言っているように

目を細めて笑っている彼の視線が突き刺さる




こ「あれなーくん
　…その子のこと、なーくんが連れ出したの？」




最悪なタイミングでころんくんが帰ってきて

ななもり。さんに力強く掴まれていた腕は

ころんくんによって解放される




な「楽屋から出てくるとこ見たから話を聞いてたんだよ
　 それで、ころんの知り合い？」

こ「うん、僕の知り合いなんだけど…
　まさか逃げようとなんてしてないよね？」




逃げようとしていたなんてバレたら何て言われるだろうか

怒られるか呆れられるか

わからないけど…正直にいうしかない




『逃げようとしていました…』

こ「はぁ…あんなに逃げんなって言ったのに」


『逃げるチャンスかなって…』

こ「おまえ舐めてんだろ」




そう言いながら私の腕をグイグイと引っ張るころんくん

まるで 帰るぞ とでも言うような顔をして




な「え、今帰るの？？俺何も聞いてないんだけど…」

こ「ほら、昔一回だけ話したことあるじゃん…」


な「え、あ、あー…なるほどね？！」

な「さとみくんにも伝えといた方がいい？？」




私には分からない話をして2人で盛り上がっているが

掴まれた腕のせいで1人で逃げることもできず

諦めてその場で2人を見つめている




こ「いいよ誰にも言わなくて
　 中途半端な時に伝えて奪われたくないし…」




ボソッと小さな声で言われた言葉が

何を言ったのかは分からないけど

何故だか彼の赤く染まった顔が忘れられなかった



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お星様が黄色に！！

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