元カレ、推しでした【青】

# 33話 ページ34

ころんside





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莉犬くんが代わりに事情聴取に行ってくれたので

僕はAと向き合って彼女の名前を呼ぶ




こ「A...？」




だけど、僕の声はまるで聞こえていないように

彼女は前をぼーっと見つめている


...莉犬くんがさっき来た時もそうだったのかな

だとしたら結構やばいやつ？





こ「...A」




そりゃああんな事があったら何も考えたくなくなるよね




こ「もう大丈夫だからね、アイツはもう来ないよ」




何も答えてくれなくても

きっと僕の声は聞こえてるよね


だったら




こ「大丈夫、大丈夫だから」




Aを安心させるしかないじゃん





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『ほんとの、ほんとにもう大丈夫……？』




少しずつ落ち着いてきたのか

それともやっと今までにあったことを理解したのか


彼女の目からは涙がボロボロと溢れてくる




こ「うん、ここには僕と...」




外には警察の人が何人かいるけど

それは言わない方がいいかな




こ「...僕とAしか居ないよ」




きっと何も言わない方が

彼女にとったら安心できるんだ




『……っ、怖かった、』


こ「...うん、ごめんね」




僕がもっと早く来れてたら

そもそもあんな喧嘩をしなければ




『いやって言っても、辞めてくれなくて...っ、』

こ「うん」



『もう、だれも助けに来てくれないって、』

こ「そんなことないよ」



『まだ、ずっと気持ち悪くって、』

こ「……うん」




ほんとに嫌になる

Aがアイツに汚されたことも

こんなふうにさせてしまった自分も




『でも、ありがと、』




彼女の一言で一喜一憂できる自分も




こ「...どこに居ても助けにいってあげる」




ヒーロー気取りでいる自分も

素直になれない自分も



全部、嫌で嫌で仕方がないくせに




『...へへっ、約束ね』




君が笑顔で居られるならどうでも良く感じるんだ





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