c h o c o l a t e ページ39
──1週間、気づけばもう経っていた。
「話って何」
明日朝方手術入ってるから、4時間は寝ときたい。Aはそう言って、リビングで椅子に座る俺を背に肩を回した。
藍沢「座れ」
俺の表情が堅かったせいか、にやにやひていた彼女の口元がきゅ、と締まる。
「な、何でしょう」
言い出す前に沈黙が生まれる。いざ言おうと思うと緊張して声が出ない。見かねた彼女が
「こ、コーヒーでも入れようか！」
態とらしく微笑んだ。向かいに座り、立ち上がろうとする彼女の腕を強引に掴んだ。
藍沢「いい、今じゃなくて」
そっか、と目を泳がせて彼女は座り直した。
一つ深呼吸をする。
藍沢「もう長い付き合いだな」
「そうだね、フェロー時代からだから、8年かな」
普段ならずかずか、言えるはずなのに未だに本題に入れず、気づけば本題に入るために昔話を始める始末。人はこんなに緊張することがあるのだろうか、疑問と学びを得た。
「フェローの最初はさ、藍沢耕作っていう無愛想で冷徹なやつって感じだった」
何だそれ。
「技術は私たちより上で、いつも先頭で手網を握ってる人。悔しくて、追い抜きたくて、そんな事考えてたら喧嘩とかふっかけるやつになっちゃってさ、私。懐しいな、」
藍沢「手術中の言い争いで何度先生達に呼び出されたか」
「あの頃から大好きだったよ、ほんと｡本当は優しくて、人一倍人を助けようと思っているあなたが」
笑う彼女が眩しく見えて、俺は言葉をいう暇もなかった。
「ねぇ藍沢先生。私は貴方に全てを捧げるつもりです」
「…私と───」
俺なその続きを言われてはいけないと思った。テーブルに身を乗り出して彼女の襟元を引いて塞いだ。
Aは目をぱちくり、繰り返している。まるで俺が眩しく光る太陽のように、何度も。
俺は腕の力を抜いて、座り直した。
藍沢「これからも一緒に居たい。一生を蒼瀬Aという女に捧げる。
─────結婚しよう」
席を立って彼女を立たせ、自分と向き合わせた。彼女の顔は涙で濡れ、耳は真っ赤に染まっていた。
「何でそんなに格好いいの…馬鹿」
涙を手の甲で拭いて、
「当たり前でしょ。離れてやんない」
そう無邪気に笑って見せた。指輪を彼女の薬指にそ、とはめる。
藍沢「ほっとした、」
彼女の笑う姿を見て思わず声に出た。よろしくな、嫁さん、なんて似合わない冗談をいえば、任せろ旦那。なんて返ってきた。大好きよ、と抱きついてきた彼女の頭を撫で、きつく抱き締め返した。
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レイ(プロフ) - 再開待ってます。 (2019年11月25日 23時) (
レス) id: ffae72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になってますが終わりですか？ (2019年9月2日 20時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます！もう更新されないのでしょうか？ (2018年10月16日 11時) (レス) id: 6124a9987a (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち - いつも見てます！このお話が大好きです！更新がんばってください！ (2018年7月6日 19時) (レス) id: 79846cf961 (このIDを非表示/違反報告)
Nana(プロフ) - Rayさん» Rayさんいろんな人に細かくしてますが、手当たり次第いろんな人に誰彼構わずリクエストしてるようです。迷惑だと思いますよ。 (2017年11月1日 5時) (レス) id: 3273862ca4 (このIDを非表示/違反報告)
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