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「...なんで？この人は父さんじゃないの...？？」
マリ「母さんの言うことを聞きなさい！遠くに走りなさい！！お願いだから！！どこか遠くの海へ！！」
母さんは、今の私と同じように声を荒らげて叫ぶようなことはなくて、静かに話す人だった。
いつも、優しく話してくれる人だった。
そんな母さんが声を大にしてそう言った。
私は頷いた。
そんな私を見て、母さんはいつものように優しい笑顔を浮かべた。
マリ「A。私との約束を忘れずにね。愛しているわ。」
母さんは、ここで死んでしまうんだと思った。
気味が悪いくらいに冷静だった。
「お母さん、。大好きだよ！！」
そう言ったあと、走って家から出た。
街の魚屋のおじさんに、漁船をください！と叫んだ。
おじさんは、何事だという顔をした。
その瞬間、銃声が家の方から聞こえてきた。
その音と、私の焦りようから何かあったのだと察したおじさんは、漁船のある場所を私に教えてくれた。
私が船に乗り込んだ瞬間、島の上空から、白い線のようなものが降りてきた。
それは島の地面に突き刺さり、まるで島を取り囲む鳥籠のようだった。
試しに少し触れてみると、指先が少し切れた。
島がこの糸のようなものに囲まれているからもう帰れない。
前に進むしか無くなった私は、海に船を進めた。
まともな航海術も持っていない6歳のガキが何も持たずに海に出て、島に辿り着くまでは1ヶ月ほど経った。
途中、ニュースクーが落として行った新聞で、私の故郷は海賊、ドンキホーテ・ドフラミンゴによって壊されたと書いてあった。
多分、母さんは死んだ。
魚屋のおっちゃんも、八百屋のおばちゃんも、お隣さんのユウくんもだ。
私のせいだった。
ようやく島に着いてから、疲労と悲しみと、色んなものが押し寄せて、私は倒れてしまった。
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作者名：COCOA
| 作成日時：2021年8月31日 16時
