9話 ページ10
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まあいい機会だ、こっちから行く手間が省けた。
『それじゃ、みんな訓練頑張ってね〜。五条行くよ』
五条「は?っておいッ!」
『じゃ〜ね〜』
私はたった今グラウンドにやって来た五条の腕を掴み校内へと引き返す。抵抗はしているけど、無理やり振りほどかないし無限も張らないってところ、こいつらしい。
五条「おい、どこ行くんだよ」
『あんたの部屋どこ?』
五条「は?なんでそんなこと_」
『あ、さっき学長に聞いたんだった〜』
五条「こ い つ ッ!!」
グラウンドに来る前に五条の部屋を予め聞いておいた私は、彼の部屋であろう場所のドアをガンッと開けて彼を部屋に押し込んだ。
五条「なんなんだよ、まじで」
『ごめん』
五条「は」
私は凛とした声で、彼の目を、いや目隠しがされてそれは叶わなかったが彼をしっかりと見て言った。
『さすがに言いすぎた、ごめん。弱いのは私だよね。分かってるよ、五条は誰よりも強い』
嘘、そんなこと微塵も思ってない。
こいつがいくら呪術界で最強だのなんだの言われていたとしても、こいつを強いなんて言ってやらない。言ってあげない。
でも、今はそうするしかない。こんな雰囲気でこれから過ごすなんてごめんだ。
五条「思ってもないこと言うなよ」
『なんで私には変な話し方しないの?ずっとそう、アイツがいなくなってからお前は途端に変わった。でも私と2人きりの時は昔のままだ』
五条「何?俺に気を使って欲しいの?」
『その言い方だと他の人には気を使ってるみたいね』
五条「揚げ足取ってんじゃねえよ」
『ダメだよ。私を特別にしちゃ』
私を特別扱いしているから口調が昔のまま、一人称が"俺"のままなんだ。
そんなの、自分の首を絞めてるだけ。やめた方がいい。
五条「何言って__」
『勝手にどっか行ったことは謝る、本当にごめん。私はあの時どうかしてたんだ。自分のことしか考えられなかった。五条と硝子の気持ちなんて頭にもなかった』
五条「それは…しょうがないだろ」
『私がアイツの恋人だったから?だとしたら狡いよね、私。五条だってアイツの親友じゃん。上も下もないよ』
五条「でも、」
『だから、とりあえずごめん。でもさ、特別扱いはしないで欲しい』
五条「特別扱いなんてしてない」
『してるよ。私はお前に明日を約束なんてできない。お前の欲しい言葉をくれてやれない。弱いままじゃ、首絞めて死ぬだけだよ』
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ひながき(プロフ) - しおりさん» 𝑶𝑴𝑮(゜д゜)、教えていただいてありがとうございます!! (2022年2月7日 1時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 悠仁の漢字間違ってます! (2022年2月6日 23時) (レス) @page23 id: 2479e15f01 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - プスメラウィッチさん» 五条オチです!!今後もお楽しみください!! (2022年2月6日 2時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - 15さん» ありがとうございます!!ゆっくりですが、しっかり更新していきます!! (2022年2月6日 2時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - ひながきさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張ってください。応援しています(*^^*)楽しみにしています。 (2022年2月5日 21時) (レス) @page25 id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひながき | 作成日時:2022年1月9日 22時