検索窓
今日:5 hit、昨日:18 hit、合計:48,387 hit

5 ページ6

.









「あ、A!こっちこっち!」



園子ちゃんも蘭ちゃんもすごくフレンドリーで、すぐ呼び捨てで呼んでくれた。


「あれ?風邪でも引いたの?」

「んー……まぁ、そんなとこ」


蘭ちゃんにそう聞かれた原因はマスクだが、きっと今日は外すことはないだろう。



そうして二人に手を引かれやってきたのは、今夜盗まれる予定の宝石が展示された部屋。


部屋中に警備員が配備されていて、これじゃあキッドも捕まってしまうんじゃないかと心配になる。


部屋の中央にきらびやかに置かれたショーケースの中の宝石は、やわらかな照明の光を反射して輝きを放っている。


「きれい……」


思わず零した言葉に、園子ちゃんは「でしょ」と自慢気に笑って見せた。



暫く宝石を夢中で見ていれば、ふと一つの視線を感じた。


耐えられなくなって顔を上げると、ショーケースのすぐ横に立っていた警官とばっちり目が合った。


どうも目が逸らせなくて しばし見つめ合う。

数秒……いや数十秒目を合わせ続けた後、警官はにこりと微笑んで目を逸らした。


我に返り、なぜか赤く染まった頬を右手でおさえる。

不覚にもどきりとしてしまった。



「そろそろね……」


時計を見ながら言う蘭ちゃんに、もうそんな時間になったのかと驚く。

あと数分といったところか。



それにしても、先程の警官は一体なんだったのだろうか。


やけに見つめてくる彼はどこか驚いているようにも見えた。



「……もうちょっと後ろで見ない?」


「なぁに言ってるの、それじゃあキッド様の顔を拝めないじゃない」


顔を合わせるのが怖くなった私は、ダメ元で提案してみるも呆気なく却下された。


キッドを捕まえるぞ、と意気込む警部として有名な中森警部がカウントダウンを始める。



「さん……にい……いち…………」



ゼロ。


そう言ったのは中森警部ではなく、あの懐かしい彼の声だった。









.

6→←4


ラッキーアイテム

トランプ銃

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーパートナー

黒羽快斗


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
139人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みっ(プロフ) - 未来ーミクーさん» 楽しんで頂きありがとうございました!次作も今週くらいにできる予定なので、是非そちらもよろしくお願いします! (2020年1月14日 20時) (レス) id: 623dd5745c (このIDを非表示/違反報告)
未来ーミクー(プロフ) - 面白かったです!!私までもが熱くなりました。今でも体中が熱いです。更新頑張ってください! (2020年1月13日 19時) (レス) id: 6e3b9846a0 (このIDを非表示/違反報告)
みっ(プロフ) - 星麗奈さん» 時間かかってしまって申し訳ないです!やっと完結しました〜 (2020年1月13日 9時) (レス) id: 623dd5745c (このIDを非表示/違反報告)
星麗奈 - 続き楽しみにしてます! (2020年1月6日 21時) (レス) id: 3e044ff672 (このIDを非表示/違反報告)
みっ(プロフ) - 実桃さん» ありがとうございます!更新頑張りますので楽しみにしててください! (2019年12月19日 7時) (レス) id: 069a13c367 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みっ | 作成日時:2019年12月14日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。